表紙 前文

 

           

 

   や

 

八(や): 八(やあ)。

矢: 射矢(いや)。

夜(や): 夜(ゆる)。

屋(や): 町屋(まちや)。

やあ(呼びかけの言葉): いや。やあ。

やあい: あはあい。 

やい: やい。

刃(やいば): 刃(やいば)。

やえなり(植物名): 青豆(おおまあみ)い。 ※やえなりは、マメ科の植物。ほとんど

  が、もやしの原料として消費される。

八重山の人: 八重山(えぇえま)あ。 ※やや、蔑称(べっしょう)ぎみである。えぇ

えまんちゅ、ほうがよい。

八重山オオコウモリ: 八重山(えぇえま)かあぶやあ。

八百屋: 野菜売(やせえう)やあ。

矢絣(やがすり): 射矢(いや)びいま。 ※矢絣は、絣の模様を矢羽の形にあらわした

  もの。

やがて: 軈(やが)てぃ。軈(なあが)てぃ。追(う)ってぃ。

やかましい: 喧(やがま)しゃん。ゆん姦(がしま)しゃん。姦(かしま)しゃん。耳

姦(みみがしま)しゃん。

やから(輩): 輩(やから)。

薬缶(やかん): 薬缶(やっくぁん)。

山羊(やぎ): ふぃいじゃあ。 ※混効験集、坤巻・気形に、ひひじや、とある。

焼き印: 焼(や)ち印(いん)。

焼き打ち: 火責(ふぃいじ)み。

焼き豆腐: 焼(や)ち豆腐(どおふ)。燗豆腐(かんとおふ)。

焼き鍼(はり): 焼(や)ち鍼(ばあい)。 ※熱した鍼を患部に刺すこと。どんな効果

があるのかは、私には分からない。

やきもき: 汗掻(あしが)ち直(のお)り。

やきもち: 悋気(でぃんち)。悋気(りんき)。後妻(うぁあない)。

焼き物: 焼(や)ち物(むん)。

夜勤: 夜詰(ゆづぃ)み。

役: 役(やく)。

厄(やく): 厄(やく)。

焼く: 焙(あぶ)ゆん。焼(や)ちゅん。

夜具: 被(かん)じ物(むん)。座敷道具(ざしちどおぐ)。

夜久貝(やくがい): 夜久貝(やくげえ)。 ※夜久貝は、屋久貝とも書き、いわゆる、

夜光貝のことである。大型の巻貝で、形はサザエを大きくした感じ。螺鈿細工(らで 

んざいく)の材料となる。美しい宝石のような光を発するが、この貝自体が夜に光っ 

ているわけではない。

やくざ: 触(ふ)り者(むん)。

薬剤師: 薬局(やっちゅく)。

役者: 芝居為(しばいし)い。踊(うどぅ)い為(しゃ)あ。

役所: 座(ざあ)。 ※ざあは、廃藩置県前の役所を言うようである。

約定: 約定(やくじょお)。

役職: 座(ざあ)。

約束: 約束(やくすく)。

役立つ: 役立(やくた)ちゅん。

役得: 御蔭(うかじ)。

厄年(やくどし): 厄年(やくどぅし)。

役人: 官人(くぁんにん)。うぇえだい人(にん)。うぇえかん人(ちゅ)。

役場: 番所(ばんどぅくる)。番所(ばんじゅ)。

やぐら(櫓): 櫓(やっくぁ)。 ※やっくぁは、木の上にこしらえた粗末な物見台のこ

  とである。

自棄(やけ): あっぱんがれえ。

夜警: 夜回(ゆうまあ)い。

火傷(やけど)させる: しじらかしゅん。

火傷(やけど)する: 湯返(ゆうげえ)しゅん。しじりゆん。

焼け残りの木切れ: 古火切(ふるふぃいじ)り。

焼ける: 焼(や)きゆん。

家号(やごう): 家号(やごお)。家(やあ)ん名(なあ)。

野菜: 野菜(やせえ)。

野菜売り: 野菜売(やせえう)やあ。

やさしい: 肝清(ちむじゅ)らさん。胴安(どぅうやっ)さん。大安(うふや)っさん。

うぇんださん。 ※イオン琉球名護店のチェッカーに稲福さんという女の人がいる。

彼女には、「ちむじゅらさん」という琉球語があてはまる。二見情話、「二見みやらび

や、だんじゅ、ちむじゅらさ」。だんじゅは、混効験集、乾巻:言語に、だんきよと、

とあり、誠に、実に、正に、という意味である。みやらびは、漢字で書くと、美童で

ある。

やさしい人: うぇんだあ。肝清(ちむじゅ)らん人(ちゅ)。

やさしく: 柔(やふぁっ)てえん。柔(やふぁっ)てえん小(ぐぁあ)。

椰子(やし): 椰子(やあし)。

屋敷: 屋敷(やしち)。

養い親: 養(やしね)え親(うや)。

養い子: 養(ちなね)えん子(ぐぁ)。養(やしね)えん子(ぐぁ)。

養う: 養(ちかな)ゆん。養(やしな)ゆん。

やしゃご: ふぃち孫(まが)。ふぃち孫(んまが)。

やしろ(社): 神足上(かみあしゃ)ぎ。御拝(うが)ん所(じゅ)。

野心: 野心(やしん)。

安い: 安(やっ)さん。

安売り: 安売(やすぃう)い。

休まる: 休(やすぃ)まゆん。

休み: 休(やすぃ)み。

休み所: 憩(ゆく)い所(どぅくる)。

休む: 憩(ゆく)ゆん。休(やすぃ)むん。

休める: 休(やすぃ)みゆん。

安物: 代安(でえやすぃ)い。安物(やすぃむん)。

やすやすと: 胴安(どぅうやすぃっ)てえん。易々(やすぃやすぃ)とぅ。易(やすぃ

っ)てえん。

安らかに: 弥弥(やあやあ)とぅ。

やすり(鑢): 鑢(やすぃい)。

安んじる: 安(やす)んじゅん。

野生: 成来(なんくる)みい。

やせち(痩せ地): 剥(は)ぎ。

痩(や)せる: 涸(がじ)りゆん。痩(や)すぃゆん。様涸(よおが)りゆん。ゆびち

ゅん。細(さじ)りゆん。過(す)ぎゆん。

矢立て: 矢立(やた)てぃ。 ※矢立ては、腰に差して携行した筆記具。奥の細道、「是 

を矢立の初として」。

やたらに: ちゃっさんかっさん。無性九性(むしょおくしょお)。

家賃: 家賃(やちん)。

奴(やつ): ひゃあ。輩(やから)。

厄介(やっかい): 厄介(やっけえ)。

厄介者(やっかいもの): 厄介者(やっけえむん)。

やつがしら: ちんぬく。 ※やつがしら、ちんぬく、たあうむは、どれも、里芋の栽培

種らしい。ちんぬくは、見た目はどちらかと言うと、京都の伝統料理、芋棒(いもぼ

う)に使われる、海老芋(えびいも)に近いと思う。ちんぬくは、海老芋よりやや堅

めである。

薬局: 薬局(やっちゅく)。

やつす: 窶(やつぃ)りゆん。 ※やつすは、目立たないように姿をかえること。混効

  験集、坤巻・言語に、やつれ、とある。

八つ: 八(やあ)つぃ。

やっつける: ばんみかしゅん。平(ふぃら)かしゅん。躾(しつぃき)ゆん。

やっと: やっとぅかっとぅ。よおやく。

やつれる: 寠(やつぃ)りゆん。 ※やつれるは、やせること。

宿: 宿(やあどぅ)。宿(やどぅ)。

雇う: 雇(やとぅ)ゆん。

ヤドカリ: あまん。 ※大きいヤドカリは、あんまく、と言う。

宿賃: 宿賃(やどぅちん)。

宿無し: 家惑(やあまでぃ)い。

宿屋: 宿(やあどぅ)。宿(やどぅ)。宿屋(やどぅや)。

宿る: 宿(やどぅ)ゆん。

柳: 柳(やなじ)。

柳行李(やなぎごうり): 柳行李(やなじぐうい)。 ※柳行李は、柳の若枝を乾燥させ、

編んで作った衣服などを入れるもの。

脂(やに): 脂(やに)。

家主: 家(やあ)ぬ主(ぬうし)。

屋根: 家(やあ)ぬ上(うぃい)。

夜半: 夜半(やふぁん)。夜半(ゆふぁん)。

野蛮: 野蛮(やばん)。

藪(やぶ): 山小(やまぐぁあ)。

藪蚊(やぶか): 山蚊(やまがざん)。

ヤブニッケイ(植物名): しばき。 ※ヤブニッケイは、クスノキ科クスノキ属の植物。

やぶにらみ: しょお目(み)。 ※やぶにらみは、斜視のこと。

やぶにらみの人 しょお目(ま)あ。

破り捨てる: 破(や)い捨(すぃ)てぃゆん。

破り散らす: 破(や)い放(ほお)ゆん。

破る: 破(や)ゆん。

破れ: 破(や)り。

破れ目: 破(や)い目(みい)。

破れる: 破(や)りゆん。

野暮: 不修行(ぶしじょお)。

山: 山(やま)。盛(む)い。山(さん)。

病(やまい): 病(やんめえ)。病気(びょおち)。

山芋: 山芋(やまんむ)。

山奥: 山奥(やまうく)。

ヤマカガシ: 火歯(ふぃいばあ)。 ※ヤマカガシは、有毒の蛇である。

山刀(やまがたな): 山K(やまなじ)。 ※山刀は、山仕事などに用いる刃物。

ヤマクロキ: 山黒木(やまぐるち)。 ※ヤマクロキは、日本国語大辞典に載っていない。

Wikipediaでも探せない。黒木は、ハイノキ科ハイノキ属であるが、この場合の黒木は、

カキノキ科カキノキ属の黒檀(こくたん)のことだと思う。

山仕事をする人: 山歩(やまあっ)ちゃあ。

山の端(は): 山(やま)ぬ端(ふぁ)。

やまびこ: 山彦(やまびく)。山響(やまひびく)。

山道: 山道(やまみち)。

ヤマモモ: 山桃(やまむむ)。桃(むむ)。

闇(やみ): 闇(やみ)。

病む: 病(や)ぬん。

止む: 止(や)ぬん。

止める: 止(や)みゆん。置(う)ちゅん。

やもめ: 寡(やぐさみ)。

ヤモリ: 宿(やあどぅ)う。

槍(やり): 槍(やい)。

やりかけ: 仕掛(しか)き。

やりかける: 仕掛(しか)きゆん。

やり方: 為様(しいよお)。為成(しいな)し。為様為様(しいよおしざま)。仕方(し

かた)。

やりくり: 繰(く)い回(まあ)しい。

やりくりする: 繰(く)い回(まあ)しゅん。

やりくりすること: 行合(いちゃあ)し来合(くぁあ)しい。遣(や)らちゃい来合(く

  ぁあ)ちゃい。遣(や)らしい来合(くぁあ)しい。

遣り過ごす: 走(は)い来合(くぁあ)しゅん。

やりそこない: 為破(しいや)んじ。為破(しいや)んじ事(ぐとぅ)。

やり手: 為手(してぃ)。

やり直し: 為直(しいのお)し。

やり直す: 為返(しいけえ)しゅん。為直(しいのお)しゅん。

やり始め: 為掛(しいか)き。

やり始める: 為掛(しか)かゆん。

遣る: 遣(や)らしゅん。呉(くぃ)ゆん。取(とぅ)らしゅん。

やる: 為(しゅ)ん。

やるせない: くくてぃるさん。

やわらかい: 柔(わふぁら)さん。

やわらかくする: 柔(やふぁら)きゆん。

やわらかくなる: 柔(やふぁら)ちゅん。

やわらかに: 柔柔(やふぁやふぁ)とぅ。柔(やふぁっ)てえん。

和らぐ: 和(やふぁら)ちゅん。

和らげる: 和(やふぁら)きゆん。

山原(やんばる): 山原(やんばる)。

山原の人: 山原(やんばら)あ。 ※やんばらは、ほとんど田舎者という響きがする。

山原竹(やんばるたけ): 山原(やんばら)あ。

山原船(やんばるせん): 山原(やんばら)あ。山原船(やんばるぶに)。 ※山原船は、

  中国系ジャンクの技術をもとにした二本マストの小型帆船。

ヤンマ(とんぼの名前): 宮古魂(なあくだあまあ)。魂(たあまあ)。 ※ヤンマは、ト

  ンボ目ヤンマ科の昆虫の総称。

やんわり: 柔柔(やふぁやふぁ)とぅ。

 

   ゆ

 

湯: 湯(ゆう)。

湯あみ: 御済(うすぃ)まし。 ※ざっと済ますという感じの意味。

結(ゆい): 結(いぃい)。結回(いぃいまあ)るう。 ※結(ゆい)は、農作業などで、

互いに労力を交換して助け合うこと。琉球語には、日本語で失われたyiの音が存在す

る。結(yii)と発音する。

遺言: 遺言(いぐん)。んじゃに。

結納: 酒盛(さきむ)い。

結う: 結(ゆう)ゆん。

遊郭(ゆうかく): 尾類(じゅり)ぬ家(やあ)。

夕影: 夕陰(ゆうかあぎ)。 ※夕影は、夕暮れ時のほのかな日の光。万葉集、伊勢物語、

宇津保物語、源氏物語などに見える。

夕方: 夕去(ゆさん)でぃ。 ※福地安夫という塾生がいる。彼に「ゆさんでぃ」とい

う言葉を説明した時、「祖母は、ゆうさんでぃと言っていた。」と言いながら、小学校 

の帰り道の話を情景を交えながら、きのうのことのように話した。言葉というものは、

すごいと思う。たった一つの言葉からこれだけの情景が浮かんでくるのである。言葉 

というものは、彼の頭だけに残るのではなく、未来の人々の頭にも引き継がれていく

ものだと思う。

夕暮れ: 明(あ)こお暗(くろ)お。入相(いりええ)。夕去(ゆさん)でぃ。夕入相(ゆ

ういりええ)。夕入(ゆうい)り方(がた)。

夕暮れに: 夜掛(ゆが)きてぃ。

遊女: 花(はな)。尾類(じゅり)。尾類花(じゅりはな)。

融通: 繰(く)い回(まあ)しい。

融通する: 繰(く)い回(まあ)しゅん。

夕立ち: 夏暗(なつぃぐ)り。流(なが)し。

悠長な: 気遅(ちいにい)さん。

夕月夜: 宵月夜(ゆくねえづぃちゅう)。

遊蕩人(ゆうとうにん): 遊(あすぃば)あ。

夕凪(ゆうなぎ): 夕凪(ゆうどぅり)。 ※混効験集、坤巻・言語に、夕とれ、とある。

おもろさうしにおいて、ゆうとれは、頻出語であり、対語は、あさとれである。

夕飯: 夕飯(ゆうばん)。夕御盆(ゆううぶん)。

夕日: 入(い)り日(ふぃ)。下(さ)がい太陽(てぃいだ)。

裕福: 裕福(ゆふく)。裕福(ゆうふく)。

裕福な: 福福(ふうふう)。

昨夜(ゆうべ): 昨夜(ゆうび)。 ※昨夜は、前日の夕方のこと。

雄弁な人: 弁者(びんしゃ)。

夕間暮れ: 夕間暮(ゆまんぐぃ)。 ※混効験集、乾巻・時候に、ゆふまくれ、とある。

有名な: 名(なあ)ゆる。 ※ゆるは、いわゆるのゆるか。

夕焼け: 夕去(ゆさん)でぃ明(あ)かがい。夕去(ゆさん)でぃ明(あ)けえ。夕去

  (ゆさん)でぃ明(あ)けえい。夕明(ゆうあ)けえい。

悠々と: 悠々(ゆつぃゆつぃ)とぅ。悠(ゆつぃ)ってえん。悠々(ゆうゆう)とぅ。

幽霊: 幽霊(ゆうりい)。

幽霊の話: 幽霊話(ゆうりいばなし)。

優劣: 劣(うとぅ)ち足掻(あが)ち。

優劣のないこと: 打(う)っつぃ搗(か)っつぃ。 ※おっつかっつは、日本語である。

誘惑する: 引(ふぃ)ち破(や)んじゅん。謀(たぬか)しゅん。惑(わく)ゆん。

誘惑される: 魅(ふぃ)かさりゆん。

故(ゆえ): 故(ゆい)。

硫黄(ゆおう): 湯泡(ゆうわあ)。 ※硫黄(いおう)とも言う。琉球語は、ゆおうの

語源を示しているようである。

硫黄島(ゆおうじま): 硫黄(ゆうおお)が島(しま)。

床: 床(ゆか)。

愉快な: 面白(うむしる)さん。

床下: 床(ゆかしゃ)。

歪(ゆが)み: 歪(ゆが)み。歪(ゆが)ん。

歪(ゆが)む: 歪(ゆが)ぬん。

歪(ゆが)める: 歪(ゆが)みゆん。

歪(ゆが)んだもの。 歪(よおが)あ。歪(よおげ)え。

歪(ゆが)んでいること: 歪(よおが)あふぃいがあ。

雪: 雪(ゆち)。 ※おもろさうしの、よきは、米のことである。

ユキノシタ(植物名): 耳垂草(みんじゃいぐさ)。 ※ユキノシタは、ユキノシタ科ユ

キノシタ属の植物。沖縄ではこれを耳垂れの薬に用いた。

行方: 行方(ゆくい)。

行方不明: あしゅら。

湯気: 熱気(あつぃき)。吹(ふ)き。

湯こぼし: 茶溢(ちゃあゆ)てぃやあ。 ※湯こぼしは、飲み残した湯茶などを捨て入

れる容器。

ゆすぐ: 濯(ゆすぃ)じゅん。扇(うう)じゅん。

ゆすぶる: 扇(うう)じゅん。

譲り: 譲(ゆずぃ)り。

譲る: 譲(ゆずぃ)ゆん。

豊か: 豊(ゆち)く。豊(ゆた)か。

豊かなこと: 潤沢(じゅんたく)。

油断: 油断(ゆだん)。

癒着(ゆちゃく)する: 密着(みちゃあ)ゆん。見合(みいやあ)ゆん。

ゆっくり: よおんなあ。悠々(ゆうゆう)とぅ。うったいもおたい。

湯漬け: 湯漬(ゆうづぃき)い。 ※湯漬けは、ごはんに湯をつけて食べること。枕草

子・196に登場する。

ゆったり: 懇懇(にぐうにぐう)。

ゆで汁: 茹(ゆ)でぃ汁(じる)。

ゆで蛸(だこ): 茹(ゆ)でぃ蛸(だく)。

ゆで玉子: 茹(ゆ)でぃ玉子(たまぐ)。

ゆでる: 茹(ゆ)でぃゆん。

ゆとり: 余地端(ゆちふぁ)。

ゆとりがある: 余地(ゆち)さん。

湯葉(ゆば): 湯葉(んば)。 ※沖縄の人はもともと湯葉というものは食さなかったと

思うが、現在はスーパーにおいてある。

指: 指(いいび)。

指折り数えること: 指折(いいびうう)い。

指折り数えて: 月読(つぃちゆ)ん日読(ふぃいゆ)ん。

指のまた: 指(いいび)ぬ股(また)。

指切り: 掛(かあ)きい。

指先: 指先(いいびざち)。

指差す: 指貫(いいびぬ)ち。

指輪: 指金(いいびがにい)。

弓: 弓(ゆみ)。

湯水: 湯水(ゆみずぃ)。

弓張り提灯(ぢょうちん): 弓張(ゆみは)い。 ※弓張り提灯は、竹を弓のようにまげ、

  その上下にひっかけて張り開くようにした提灯。

弓矢: 弓矢(ゆみや)。 ※弓矢は、弓と矢のことであるが、弓のことを弓矢と言い、矢 

のことを弓矢と言う場合もある。

夢: 夢(いみ)。 混効験集、坤巻・言語に、いめ、とある。

由来記: 由来記(ゆれえち)。 ※由来記は、ものごとの由来を書き記したもの。

揺らぐ: 天突(あまぢ)ちゅん。天搗(あまぢゅ)ん。

ゆらめく: 揺(ゆ)たみちゅん。

ゆらゆら: 天突(あまぢ)ちかあ。揺(ゆ)た揺(ゆ)た。くぇんくぇん。みたみた。

ユリ: 百合(ゆい)。

揺り動かす: 扇(うう)じゅん。天搗(あまぢゅ)ん。

揺り返し: 返(けえ)し。

ゆるい: 緩(ゆる)さん。

許す: 許(ゆる)しゅん。

緩む: うつぉおりゆん。

緩める: 緩(ゆる)みゆん。

ゆるゆる: ごおるう。よおらあくぁあらあ。よおるう。よおるうくぁあるう。

ゆるりと: 緩(ゆる)いとぅ。緩緩(ゆるゆる)。緩(ゆる)っとぅ。

揺れ: 転(くげ)え。転(くげ)えい。 

揺れ動く: 動(うぃい)ちゅん。

揺れる: 転(くげ)えゆん。 ※くげえゆんは、こける、と関係があると思う。

 

   よ

 

夜(よ): 夜(ゆる)。夜(ゆう)。

世(よ): 世(ゆう)。

代(よ): 代(ゆう)。

よ(助詞): いい。よお。むん。さ。けえ。さみ。

四(よ): 四(ゆ)。

夜明け: 暁(あかつぃち)。夜明(ゆあ)き。

夜遊び: 毛遊(もおあすぃ)びい。

宵(よい): 宵(ゆい)。ゆくねえ。

酔(よ)い: 酔(うぃ)い。

良い: 良(い)い。良(ゆ)たさん。

酔(よ)い心地: 酔(うぃ)い心地(ぐくち)。

酔(よ)いざまし: 酔(うぃ)い醒(さ)まし。

宵っ張り: 目固(みいぐふぁ)あ。 ※宵っ張りは、夜ふかしをすること。

酔い泣き: 酔(うぃ)い泣(な)ち。

宵闇(よいやみ): ゆくねえ暗心(ぐらしん)。

用: 趣(うむむち)。

癰(よう): 癰(よお)。 ※癰は、皮膚にある隣接した多くの毛嚢(もうのう)が、化

膿したもの。

様: 事(ぐとぅ)。

酔う: 酔(うぃい)ゆん。

用意: 用意(ゆうい)。為交(しこお)い。支度(したく)。すがい。

容易: 容易(よおい)。

容易な: 胴安(どぅうや)っさん。

容易なこと: 胴安(どぅうや)すぃ物(むん)。

容易に: 胴安(どぅうや)すぃってえん。

八日(ようか): 八日(はちにち)。

洋傘(ようがさ): 蝙蝠傘(かあぶやあがさ)。

羊羹(ようかん): 豆羹(まあみがん)。

容器: 入(い)り物(むん)。

洋銀(ようぎん): 洋銀(やんじん)。 ※洋銀は、銅、ニッケル、亜鉛の合金で銀の代

用品となる。洋(やん)は中国音。

幼君: 若按司(わかあじ)。

養鶏業者: 鳥飼(とぅいつぃかな)やあ。

蕹菜(ようさい): 蕹菜(うんちぇえ)。 ※蕹菜は、ヒルガオ科サツマイモ属の植物。

中国名は、空芯菜(くうしんさい)で、茎が、空洞になっている。サツマイモの茎も

空洞であるが、あまり目立たないだけである。個人的には、蕹菜の葉よりも茎のほう

がおいしいと思う。

養子: 養(つぃかね)えん子(ぐぁ)。養子(よおし)。

用事: 用事(ゆうじゅ)。用事(ゆうじゅ)かち。

楊枝(ようじ): 楊枝(よおじ)。

幼時に: 幼(くうさ)いに。

様式: 雛形(ふぃながた)。

穃樹(ようじゅ): 風守(がじまる)。 ※がじまるは、クワ科の常緑高木。もっとも沖

縄らしい木である。我が家の近くに有名なヒンプンガジマルがある。ちなみに、兵庫

沖縄県人会の機関誌の名前は、「穃樹」である。がじまると読んでもよさそうであるが、

ようじゅと読む。「私のおもろさうし現代語訳に関しまして二度も御掲載頂きました。

ここであらためて感謝申し上げます。」

幼少: 幼少(ゆうしゅう)。

用心: 用心(ゆうしん)。心得(くくり)。物(むん)ぬ当(あ)てぃ。

用心する: 心得(くくり)ゆん。傾(たん)きゆん。

様子: 様子(よおすぃ)。風儀(ふうじ)。模様(むよお)。仕方(しかた)。為体(した

らく)。為様(しざま)。様(ざま)。

用水: 使(つぃけ)え水(みずぃ)。

洋装: 阿蘭陀(うらんだ)すがい。

容態(ようだい): 様子(よおすぃ)。容体(よおてえ)。

養豚業者: 豚飼(うぁあから)やあ。

遥拝(ようはい): 御手向通(うたんかあとぅう)し。御通(うとぅう)し。

楊梅(ようばい): 山桃(やまむむ)。桃(むむ)。 ※楊梅は、ヤマモモのこと。混効験

  集、乾巻・飲食に、やまもも、とある。

容貌(ようぼう): 面影(つぃらかあぎ)。

用向き: 趣(うむむち)。

幼名: 童名(わらびなあ)。

ようやく: うじゅみ。

余寒(よかん): 別(わか)り冷(びい)さ。 ※余寒は、立春後の寒さ。

よき(斧): 斧(ゆうち)。 ※よきは、小型の斧(おの)。

欲: 欲(ゆく)。利欲(でぃゆく)。利欲(りゆく)。

翌朝(よくあさ): なあちゃ朝(あさ)。

翌月(よくげつ): なあちゃ月(づぃち)。

翌日(よくじつ): なあちゃ。

翌年(よくねん): 翌年(ゆくどぅし)。

欲張り: 欲(ゆく)う。欲(ゆうく)う。

欲張る: 欲(よく)しゅん。

よくよく: ゆくゆく。ゆくうゆくう。ゆうくうじゅうくう。密(みすぃ)く。

翌々日: なあさてぃ。 ※混効験集、乾巻・時候に、なあさて、とある。

翌々年: なあんちゅ。なあやあん。

余計: 余(あま)い。

余計なこと: 上辺事(うぁあばぐとぅ)。

横: 横(ゆく)。

横糸: 貫(ぬ)ち。

横顔: 横顔(ゆくがう)。

横切る: くん切(ち)ゆん。

横縞(よこじま): 貫(ぬ)ち綾(あや)。

汚す: 汚(ゆぐ)しゅん。

横たえる: 横(ゆく)てえゆん。

横丁(よこちょう): 筋(しゅうじ)。

横取り: 横取(ゆくどぅ)い。

横根: 便毒(びんどぅく)。 ※横根は、主に性病によっておこるリンパ節の腫瘍。

横乗り: 側乗(すばぬ)い。

横走り: 横走(ゆくば)い。

横腹(よこばら): 横腹(よおら)。横腹(ゆふぁら)。

横笛: 半簫(はんしょお)。

横道: 横道(ゆくみち)。

横向き: 側向(すばん)けえ。

横目: 引(ふぃ)ち目(み)。傍目(しょおみ)。側目(すばみ)。

よごれ: 垢(あか)。汚(ゆぐ)り。

汚れる: 垢食(あかは)ぬん。汚(ゆぐ)りゆん。濁(うぃん)ちゃゆん。

余財: 余財(ゆぜえ)。

よし: とお。

善し悪し: 善(ゆ)し悪(あ)し。義不義(じいふじ)。

ヨシタケ(植物名): 大竹(でえく)。 ※ヨシタケは、イネ科の多年草。葦(よし)に

  似ている竹(たけ)が語源だと思う。 

よじ登る: 足掻上(あぐ)ゆん。

よじる: 捻(ふぃに)ゆん。

よじれる: 捥(むでぃ)ゆん。

よす: 止(や)みゆん。置(う)ちゅん。

四隅: 四隅(ゆすぃみ)。

寄せ集める: 抜合(ぬちゃあ)しゅん。

寄せる: 寄(ゆ)しゆん。

余所(よそ): 余所(ゆす)。

よそう: 入(い)りゆん。 ※よそうは、飲食物を器に盛ることで、宇津保物語にすで

  に見える。

装い: すがい。

装う: すがゆん。

よそ見: 横目(ゆくみ)。

よそ目: 余所目(ゆすみ)。

よそ者: 旅(たび)ぬ人(ちゅう)。 ※旅人は、もっぱら、歩(あ)っちゃあ、と言う

ようである。

よたよた: つぃるつぃる。

よだれ: 涎(ゆだい)。口汁(くちしる)。

よちよち: ぶらぶら。つぃるつぃる。

四つ足: 四(ゆ)つぃ足(あし)。

四日(よっか): 四日(ゆっか)。

四つ角: 四(ゆ)つぃあじまあ。風回(かじまや)あ。

四つ竹: 四(ゆ)つぃ竹(だき)。 ※四つ竹は、琉球舞踊独特の楽器のように思われる

  が、日本国語大辞典に載っている。放下師などが用いたようである。

四つ: 四(ゆう)つぃ。

よっぱらい: 酔(うぃっ)ちゃあ。酔人(うぃっちゅ)。酔人(うぃっちゅう)。

夜詰(よづ)め: 夜詰(ゆづぃ)み。 ※夜詰めは、夜番、夜勤、夜警などのこと。

夜露: 夜露(ゆつぃゆ)。

四つ割り: 四(ゆ)つぃ割(わ)い。四(ゆう)つぃ割(わ)い。

四つん這(ば)い: 犬小這(いんぐぁあぼお)い。

与党: 白(しる)う。 ※野党は、黒(くる)うで、色分けしたようである。明治時代

  の名残りらしい。

夜通し: 夜長(ゆなが)た。夜長(ゆなが)た朝長(さなが)た。夜尽(ゆすぃ)が。

夜明(ゆうあ)き通(どぅう)し。夜明(ゆうあ)き通(どぅう)しい。夜中(ゆじ

ゅう)。

夜伽(よとぎ): 夜伽(ゆうとぅじ)。 ※夜伽は、一晩中寝ないでそばに付き添うこと。

四年(よとせ): 四年(ゆとぅ)。

淀(よど)ます:淀(ゆどぅ)みゆん。

淀(よど)む: 淀(ゆどぅ)ぬん。 ※混効験集、坤巻・言語に、よどむ、とある。

夜中: 夜半(やふぁん)。夜半(ゆふぁん)。夜中(ゆなか)。

四七日(よなのか): 四七日(ゆなんか)。 ※四七日は、亡くなってから28日目。

夜業(よなべ): 夜業(ゆうなあび)。 ※よなべは、夜間に仕事をすること。鍋をつつ

  きながら仕事をしたので、夜鍋とも書く。

四人: 四人(ゆったい)。

四年(よねん): 四年(ゆとぅ)。

世の中: 世(ゆ)ぬ中(なか)。世間(しきん)。

余波: 名残(なぐ)り。

呼び集める: 呼(ゆ)び揃合(すらあ)しゅん。

呼び出す: 呼(ゆ)び出(んじゃ)しゅん。

呼び戻す: 呼(ゆ)び戻(むどぅ)しゅん。

呼び寄せる: 呼(ゆ)び寄(ゆ)しゆん。

呼ぶ: 呼(ゆ)ぶん。

夜更(よふ)かし: 夜更(ゆう)き。

夜更(よふ)け: 時退(とぅちすぃ)り。

余分: 余(あま)い。余地(ゆち)い。上辺(うぁあば)。上端(うぁあふぁ)。

予防: 前兼(めえか)に養生(よおじょお)。

余程: 余程(ゆふどぅ)。

夜回り: 夜回(ゆうまあ)い。

読み書き: 墨(すぃみ)。

読み書き算盤(そろばん): 筆算(ふぃっさん)。

読み書きができる人: 墨(すぃみ)ん人(ちゅ)。 

夜道: 夜道(ゆみち)。夜道(ゆうみち)。

読む: 読(ゆ)ぬん。

詠む: 詠(ゆ)ぬん。

嫁: 嫁(ゆみ)。

四方(よも): 四方(ゆむ)。 ※四方は、東西南北のこと。昔、四方晴美という女優が

いた。ケンちゃんチャコちゃんの、チャコちゃんの役者である。

蓬生(よもぎ): 艾葉(ふうつぃばあ)。 ※蓬生は、キク科の多年草。ふうちばあじゅ

うしい、ひいじゃあじる、などに入れる。百人一首、かくとだにえやは伊吹のさしも

草さしも知らじな燃ゆる思ひを、さしも草はよもぎのことである。 

よもすがら: 夜尽(ゆすぃ)が。

余裕: 余地(ゆち)い端(ふぁ)。余地目(ゆつぃみ)。

余裕がある: 余地(ゆち)さん。

寄り合い仕事: 寄合(ゆれ)え仕事(しぐとぅ)。

寄り集まる: 集(あつぃ)まゆん。

撚(よ)り糸: 白縄(しらなあ)。

寄りかかる: うっ掛(ちゃ)かゆん。

夜: 夜(ゆる)。夜(ゆう)。

寄る: 寄(ゆ)ゆん。とぅん巡(みぐ)ゆん。

縒(よ)る: 捻(ふぃ)にゆん。 ※縒るは、何本かの糸をねじりあわせること。

寄る辺: 頼(たゆ)い。 ※よるべは、たよりとするところ。

よれよれ: まあぐうふぃいぐう。

鎧(よろい): 鎧(ゆるい)。 ※山陰本線に、鎧(よろい)という駅がある。海がすぐ

目の前である。私が駅から見た景色の中ではもっとも美しかった。NHKのテレビ小説

「ふたりっ子」のロケ地となった。

よろける: しいくゆん。

喜ばしい: 誇(ふく)らしゃん。

喜び: 肝誇(ちむふ)くい。喜(ゆるく)び。

喜ぶ: 誇(ふく)ゆん。喜(ゆるく)ぶん。

よろしい: 良(ゆ)たしゃん。

よろめく: しいくゆん。

よろよろ: ぶらぶら。しいくいめえくい。

世論(よろん): 衆考(すうかんげ)え。

与論島: 与論(ゆんぬ)。

弱い: 弱(よお)さん。柔(やふぁら)しゃん。

弱く: 弱(よお)ん。

弱くなる: 弱(よお)ゆん。

弱音をはく: 詫(わ)びゆん。

弱まる: 弱(よお)ゆん。

弱虫: 蛭子(びいらあ)。弱(よおば)あ。しぴたやあ。 ※混効験集、坤巻・人倫に、

  びる、とある。

弱弱しい: 物幼稚(むぬよおち)ぎさん。物弱(むぬよお)ぎさん。

弱り目: 弱目(よおみ)。

弱る: 弱(や)びりゆん。柔(やふぁら)ちゅん。弱(よお)ゆん。

四回(よんかい): 四回(ゆけえん)。

四等分: 四分一(しぶいち)。

四男(よんなん): 四男(ゆなん)。

四百(よんひゃく): 四百(しひゃあく)。