た
田: 田(たあ)。
だ(〜である): やん。
鯛(たい): 鯛一般を表す語はないようである。タマンは、鯛の一種である。
たい(〜したい): 欲(ふ)しゃん。
代: 代(でえ)。
台: 台(でえ)。
題: 題(でえ)。
第一: 第一(でえいち)。
代価: 代(でえ)。代値(でえに)。代価(でえか)。代(しる)。
大海: 大渡(ううとぅ)。
大概: 大概(てえげえ)。
体格: 殻(から)。体(からた)。丈程(たきふどぅ)。
大家族: 大家内(うふちねえ)。大家人数(うふやあにんず)。
大官: 大官(てえくぁん)。
大寒: 大寒(でえかん)。 ※二十四節気の一つ。新暦の一月二十一日ごろ。気候的にも
一年中で最も寒いころ。
大金: まるち銭(まるちじん)。大銭(うふじん)。
大禁物: 大嫌(でえちれ)え。 ※禁物は、やってはいけないこと。
大工: 細工(せえく)。家細工(やあぜえく)。木細工(きいぜえく)。
退屈なこと: うふちくぃいち。
大工道具: 細工道具(せえくどおぐ)。
対決: 引合事(ふぃちぇえぐとぅ)。
対決させる: 引合(ふぃちゃあ)しゅん。
大言壮語: 大物言(うふむぬい)い。
太鼓: 太鼓(てえく)。 ※片側だけを張った胴の短い太鼓を、ぱあらんくう、と言う。
エイサーでおなじみである。
大国: 大国(てえくく)。
大根: 大根(でえくに)。大根(うふに)。大根(ううに)。 ※たいこねは、混効験集、
乾巻:飲食に見える。おほねは、混効験集、坤巻:草木に見える。たいこねは、大根
根(だいこんね)、が縮まった形と思われる。おほねは、古事記、徒然草にも見える。
古事記での表記は、淤富泥であるが、この読み方は、おふに、ではないかと思われる。
大混雑: 押(うう)せえ転(くる)ばせえ。
大根の葉: 大根葉(うふにばあ)。
滞在: 淀(ゆうどぅ)。滞在(てえぜえ)。 ※淀(よど)むは、とどまるの意味。万葉
集にも見える。よとは、おもろさうしにたびたび登場する。たとえば、592。
大散財: 銭浴(じんあ)み。
台山竹(ダイサンチク): 真竹(まあたく)。 ※ネットの画像を参照。
胎児(たいじ): 胎(てえ)。
大事: 大事(でえじ)。大切(てえしち)。
大した: 大(でえ)んな。
たいして: なんじゅ。
大事な: 惜(あたら)しゃん。正物(しょおむん)。
大事な物: 惜(あたら)し物(むん)。
大事にする: 手向(たんき)ゆん。
大事にすること: 物惜(むぬあたら)しゃ。
大暑: 大暑(ううあつぃ)さ。 ※二十四節気の一つ。新暦の7月23、4日ごろ。一
年中でもっとも暑いころ。
大将: 大将(てえしょお)。
大食: 肋(あばら)あ。大食(てえしゅく)。大腹(うふわた)あ。
大豆: 豆(まあみ)。豆腐豆(とおふまあみ)。大粒(うふつぃざ)あ。
大豆油: 白絞(しらしぶ)い。
大切: 大切(てえしち)。
大雪: 大雪(ううゆち)。 ※二十四節気の一つ。新暦の十二月七日ごろ。
大層: 段々(だんだん)。一杯(いっぺえ)。
だいたい(大体): 粗粗(あらあら)。良(い)い頃(くる)。大概(てえげえ)。
だいだい(橙): 橙(でえでえ)。橙九年母(でえでえくにぶ)。 ※現在では、橙がミカ
ンの一種であることを知らない人がほとんどだと思う。私の小学校のころには、絵の
具の色の名に、だいだいいろ、があった。
代々: 代々(でえでえ)。 ※橙と代々は関係のある語。
大胆な人: 意地(いじゃ)あ。
大腸: 大腸(うふわた)。
大抵: 良(い)い頃(くる)。大概(てえげえ)。大抵(てえてぃい)。大方(ううかた)。
態度: 為様(しざま)。
対等: 手向(たんか)あなあ。
大東島: 大東島(うふあがりじま)。
胎毒(たいどく): 胎毒(てえどぅく)。 ※胎毒は、乳児の顔や頭にできる皮膚病の俗
称。
台所: 台所(でえじゅ)。すぃくぶう。隅(すぃむ)。すくぶう。うすぃむとぅう。
台無しにする: うぃいくんしゅん。
太白(たいはく);(白砂糖): 太白(てえふぁく)。 ※太白は、精製した純白の砂糖。
胎盤(たいばん): 胎衣(いや)。 ※日本語では、えな、と言う。
堆肥(たいひ): 風肥(かじぐぇ)え。
大病: 大病(てえびょお)。重病(ちゅうびょお)。
だいぶ(大分): 余程(ゆふどぅ)。大分(てえぶん)。
台風: 台風(てえふう)。大風(ううかじ)。
太平洋: 東(あがり)ぬ海(うみ)。 ※ちなみに、韓国では日本海を東海と言うらしい。
東海は固有名詞というよりも、普通名詞に近いかもしれない。
たいへん(大変): 大事(でえじ)。
たいへんな事: ちうぇえ事(くとぅ)。ちゅうぇえ事(くとぅ)。
たいへんな物: ちうぇえ物(むん)。ちゅうぇえ物(むん)。
大便: 糞(くす)。裏(うら)。 ※裏は、もともとは、家の裏側にある便所のこと。
大便をする: 放(ま)ゆん。 ※万葉集3832に、屎(くそ)遠くまれ、とある。
私は、うんこをするという詩を、外国の詩の中に見たことがない。
退歩: 後戻(あとぅむ)どぅい。
大砲: 火矢(ひゃあ)。 石火矢(いしひゃあ)。
大法会(だいほうえ): 大御周行(うふうしゅうこお)。 ※法会は、死者の追善供養。
大木: 大木(てえぶく)。大木(うふぎい)。
松明(たいまつ): 焚(てえ)。灯(とぅぶ)し。 ※たいまつのたいは、焚(た)く、
という意味。
松明の火: 焚火(てえびい)。
怠慢: 油断(ゆだん)。
大名: 按司(あんじ)。按司(あじ)。大名(でえみょお)。
タイム(休止): 間居(まい)。
田芋(たいも): 田芋(たあんむ)。
大役: 大役(てえやく)。
太陽: 照誰(てぃいだ)。 ※てぃいだの語源はわからないようである。てたは、おもろ
さうしの頻出語である。てたは、もともとは、太陽のことであるが、この世の支配者
をも意味するようになった。おもろさうしを読んでいると、どの意味であるかの判別
がむずかしい場合が多い。とくに、英訳の場合どちらかに決めねばならないので、語
訳の可能性が多々あると思う。
太陽暦: 大和暦(やまとぅぐゆみ)。 ※今はたぶん、新暦(しんりち)というのであろ
う。
平ら: 平(とお)。
平らな: 平(ふぃら)さん。
平らなもの: 平(ふぃら)あ。
平らに: 平(ふぃら)ってえん。
平らにする: 平(ふぃら)かしゅん。
平らになる: 平(ふぃら)きゆん。
代理: 代理(でえり)。
たいりき(大力): 大力(てえしから)。大力(てえじから)。
台湾: 台湾(たいわん)。
台湾はげ: 台湾坊(たいわんぼお)。台湾坊主(たいわんぼおじ)。 ※はげは、微妙な
言葉であるが、台湾はげは、日清戦争で台湾から帰った兵隊のあいだに流行った病気。
髪の毛がところどころ抜け落ちるらしい。
絶え果てる: 絶(て)え果(は)てぃゆん。
絶え間なく: 目遮(みいさげ)え無(ねえ)らん。
耐えられない: 捩(に)じららん。
絶える: 絶(てえ)ゆん。
耐える: 捩(に)じゆん。忍(しぬ)ぶん。 ※体のどこかを捩じる、つまり、耐える
ことだと思う。
倒し合い: 転合(くるばせ)え。倒合(とおせ)え。
倒す: 倒(とお)しゅん。
タオル: 阿蘭陀手拭(うらんだてぃいさあじ)。 ※(阿蘭陀)オランダは西洋を意味す
る。タオルが和語だと思っている人が結構いるが、towelである。英和辞典を引くと、
ほとんどかならす、手ぬぐい、とある。
倒れる: 倒(とお)りゆん。
鷹: 鷹(たか)。
箍(たが): 帯(うび)。竹帯(だきうび)。 ※箍は、桶や樽の外側を堅く締めるための
もので大体竹製である。琉球語の竹帯は、材料と用途が一遍にわかる。なお、人間の
腰に巻く帯は、ううび、である。ちなみに、箍の音読みは、コである。分解すると、
竹を手で匝(めぐ)らせる、となる。
高い: 高(たか)さん。
互い: 互(たげ)え。
互いに: 互(たげ)えに。
違(たが)う: 違(たが)ゆん。
違(たが)える: 違(たが)ゆん。
高さ比べ: 高抗(たかさあが)あ。 ※高さと、競争という意味の抗(あらが)あ、に
分解できると思われる。
高潮: 縋(しが)り波(なみ)。
たかだか: たきとぅとぅうみ。てえとぅとぅうみ。
高値: 山相場(さんそおば)。高打当(たかうっちゃ)き。
高機(たかばた): 高機(たかはた)。 ※高機は、文字通り、丈の高い織機。
高ぶる: 高振(たかび)ゆん。驕(うぐ)ゆん。
高ぶっている: 地位高(ちいだか)さん。
高ぶっている者: 地位高者(ちいだかむん)。
高ぶること: 胴高(どぅうたか)び。
高窓: 高走(たかばしる)。 ※窓ではなく、そこの走り戸に着目している。
高まる: 持上(むちゃが)ゆん。
耕す: 返(けえ)しゅん。熟(くな)しゅん。耕(たげえ)しゅん。打(うち)ち起(う
く)しゅん。打(う)ちゅん。 ※耕すが、いかに日常語であったかがわかる。
宝: 宝(たから)。
だから: あんし。
宝貝(タカラガイ): もおもおぐぁあ。
集(たか)る: 巻回(まちゃあ)しゅん。集(たかり)ゆん。
高笑い: 高笑(たかわれ)え。
瀧: 瀧(たち)。
焚き落とし: 燠(うち)り。 ※焚き落としは、焚火が燃えた後に残った火。混効験集、
坤巻:言語に、おきれ、とある。
薪(たきぎ): 薪(たちじ)。焚物(たむん)。 ※混効験集、乾巻:器材に、たもの、と
ある。
薪売り: 焚物売(たむんう)やあ。
薪取り: 薪取(たちじとぅ)い。焚物取(たむんとぅ)やあ。
炊き込みご飯: 硬雑炊(くふぁずうすぃい)。硬雑炊(くふぁじゅすぃい)。硬雑炊(く
ふぁじゅうしい)。
抱き込む: 抱(だ)ち込(く)ぬん。
抱きしめること: 丸抱(まんだ)ちい。
焚き付け: 火焚付(ふぃいてえつぃ)きやあ。 ※焚き付けは、薪や炭などに、すぐに
火が付くのに用いられる枯れ葉などのこと。小学生の頃には、新聞紙を使っていた。
焚き付ける: 焚付(てえつぃ)きゆん。 ※動詞になるほど日常的なことであった。
他郷: 他郷(たちょお)。他国(たくく)。
滾(たぎ)る: 滾(たじ)ゆん。
炊く: 炊(た)ちゅん。
抱く: 抱(だ)ちゅん。
たくさん: まあくっさ。まあくさ。んざでぃ。大分(てえぶん)。大高(てえだか)。う
ほおく。大大(うふうふう)とぅ。ずぃんばい。ずんばい。
託宣: 告(ち)じ降(う)り。御宣(みすぃずぃ)り。
たくましくなる: 荒(あ)りゆん。
企(たくら)む: 企(たく)ぬん。
手繰る: 手繰(たぐ)ゆん。
蓄える: 蓄(たぶ)ゆん。蓄(たくうぇえ)ゆん。貯(た)みゆん。
竹: 竹(だき)。
丈: 丈(たき)。
岳: 岳(たき)。
他系: 他系(たちい)。
多芸の人: 芸能持(じいぬうむ)ち。
竹馬: 木足(きいびしゃ)あ。 ※琉球語の方が科学的である。
竹垣: 竹垣(だきがち)。竹囲(だきがく)い。
竹筒: 竹(だき)ん壷(つぃいぶう)。
竹とんぼ: ふぁあふぁあ。 ※これは、飛んで行くときの音を表したようである。
酣(たけなわ): 万事(ばんじ)。
筍(たけのこ): 竹(だき)ぬっ子(くぁ)。
筍を干したもの: 筍絲(しゅんしい)。
竹葺(たけぶ)き: 竹葺(だきぶ)ち。
竹箒(たけぼうき); 竹箒(だきぼおち)。
鮹(たこ): 鮹(たく)。
胼胝(たこ): 添植(すぃいうぃ)い。
胼胝ができる: 添植(すぃいうぃ)いゆん。
凧(たこ): ぶうぶう凧(だく)。まっ凧(たく)う。まったらあ。 ※まったらあは、
燕(つばめ)のこと。
他国: 他国(たくく)。
他言: 他言(たぐん)。
足し: 足(た)し。
出汁(だし): 出汁(だし)。
出汁の入っていない汁: 寂汁(さびじる)。 ※実が入っていない汁も、さびじる、と言
う。
出し入れ: 出(んざ)し入(い)り。
確か: 厳重(じんじゅう)。
確かな: 確(たし)かしい。
確かなこと: 委細(いせえ)。
確かに: 委細(いせえ)に。
確かめる: 確(たし)かみゆん。
嗜(たしな)み: 嗜(たしな)み。
だしぬけに: あったに。
足し前: 足(た)し前(めえ)。
惰弱: 惰弱(だじゃく)。
多少: いきらさ多(うう)さ。
足す: 足(た)れえゆん。覆(う)さあしゅん。
出す: 出(ん)じゃしゅん。ねえゆん。
多数決: 多(うふ)さに片付(かたじ)きるう。
助け: 助(たすぃ)き。
助け上げる: 引上(ふぃちゃ)ぎゆん。
助ける: 助(たすぃ)きゆん。押上(うや)ぎゆん。
尋ねる: 尋(たん)にゆん。尋(たずぃ)にゆん。尋(たず)にゆん。
たそがれ時: 赤(あこお)黒(くろお)。
他村(たそん): 他島(たしま)。
ただ: いちゃんだ。無賃(むちん)。只(ただ)。
戦い: 戦(いくさ)。
戦う: おおゆん。戦(たたか)ゆん。
叩き込む: 叩置(たたちん)ちゅん。
叩(たた)き土: 三和土(そんとお)。 ※叩き土は、三和土(たたき)、とも言い、赤
土、石灰、砂利などに、にがりをまぜ、水で練って叩き固めた土間。セメントで固め
たものも三和土(たたき)という。
叩(たた)く: 叩(たた)ちゅん。
正しい: 明(あちら)か。まっとおば。 ※まっとおばは、まっすぐ、という意味。沖
縄の政治家、瑞慶覧長芳(ずけらんちょうほう)の演説の決まり文句、「畳(たたん)
ぬ綾(あや)ぬ如(ぐとぅ)、まっとおば。」
正す: 正(ただ)しゅん。
ただちに: ちゃあき。直(すぃ)ぐ。忽今(たちなま)。只今(たでえま)。
ただ働き: いちゃんだ奉公(ぶうくう)。
畳: 畳(たたん)。
畳屋: 畳屋(たたんやあ)。畳細工(たたんぜえく)。
畳む: 畳(たくぶ)ん。
祟(たた)り: あらび。あるび。祟(たた)り。
爛(ただ)れ: 爛(ただ)り。
爛れ目: 目剥(みいは)ぎ。
爛れ目の人: 目剥(みいは)があ。目剥(みいは)ぎい。
爛(ただ)れる: すぃんでぃゆん。爛(ただ)りゆん。たっくぃゆん。
だだをこねること: 気任(ちまか)し。皇帝(ふんでえ)。我儘(わがまま)。自儘(じ
まま)。 ※私は、自儘は長い間、方言かと思っていた。
太刀: 太刀(たち)。
達(たち): ちゃあ。たあ。 ※たとえば、女(うぃなぐ)ん達(ちゃあ)。我達(わっ
たあ)。
立ち合い: 立(た)ち合(え)え。
立ち居振舞い: 胴持成(どぅうむちな)い。為為様(しいしざま)。
太刀魚(たちうお): 芭蕉皮(ばしかあ)。芭蕉皮魚(ばしけえいゆ)。 ※太刀魚は、塩
焼きにするときわめて美味である。
立枯れ: 立枯(たちが)り。
立木: 立木(たちぎ)。 ※立っていない木はないと思うのだが、実際に生きて立ってい
るという意味であろう。
立ち消え: 平平等(ふぃいふぃいとぅう)。尻香(すぃりこお)。 ※平平等は、文字通
り、平等という意味もあるが、平らになるという意味もあるようである。尻香が、漢
字の通りであるとすれば、まさに、立ち消えである。
立ち聞き: 立(た)ち聞(じ)ち。
立ち去る: 退(ぬ)ちゅん。 ※退(の)くは、源氏物語にも見える古い言葉である。
立ち仕事: 立仕口(たちしくち)。立技(たちわざ)。
立ち通し: 立(た)ちくんぱい。
たちどころに: ちゅうちゃん。忽今(たちなま)。
立ち止まる: 淀(ゆどぅ)ぬん。休(ゆ)しぬん。
立ち止まらせる: 休(ゆ)しみゆん。
立ち直る: 踏返(くんちぇえ)ゆん。踏返(くんけえ)ゆん。踏直(くんのお)ゆん。
※踏むは、琉球語では、踏(く)むである。
立ち退く: 立(た)ち退(ぬ)ちゅん。
立場: 立端(たちふぁ)。
立ちはだかる: はたかゆん。 ※はだかるは、落窪物語にも見える古い言葉である。
橘(たちばな): 黄金(くがにい)。黄金九年母(くがにいくにぶ)。すぃいくぁあしゃあ。
※橘は、ミカン科ミカン属の柑橘(かんきつ)類。
立ち勝る: 立(た)ち勝(まさ)ゆん。
たちまち: ちゅうちゃん。忽今(たちなま)。
立ち向かう: 立(た)ち向(む)かゆん。
立ち寄る: ぬばがゆん。ぬしかゆん。
立ちん坊: 後押(あとぅうう)しい。 ※立ちん坊は、坂道の下などにいて、車の後押
しをして金銭をもらった者。鴎外の「即興詩人」、漱石の「吾輩は猫である」にも見え
る言葉である。なお、昔は、首里の坂下によくいたそうである。
辰(たつ): 辰(たつぃ)。
立つ: 立(た)ちゅん。
建つ: 建(た)ちゅん。
裁つ: 裁(た)しゅん。
経つ: 経(た)ちゅん。
脱臼(だっきゅう): ちい違(ちげ)え。
脱臼する: ちい違(ちげえ)ゆん。
達し: 達(たっ)し。
達者: 達者(たっしゃ)。
達者な: 歩(あ)っちゅん。
達人: 武士(ぶし)。
達する: 連(つぃ)るがゆん。
たった: いちゃんだ。無賃(むちん)。只(ただ)。
たって: たんでぃ。
手綱: 手綱(たんな)。
タツノオトシゴ: 海馬小(うみんまぐぁあ)。
たっぷり: 余地(ゆち)さん。
竜巻(たつまき): 竜(るう)。 ※竜巻と竜は同一視されていた。
縦: 縦(たてぃ)。
楯: 手(てぃ)んべえ。
縦糸: 綛(かし)。 ※綛(かせ)はもともとは、縦糸をまきつける道具のこと。
立て替え: 足(た)し前(めえ)。
立て替える: 足(た)し前(めえ)ゆん。
鬣(たてがみ): 被(かん)じ。
縦縞(たてじま): 綛綾(かしあや)。
建坪: 建坪(たてぃつぃぶ)。
立褄(たてづま): あさぎ。 ※立褄は、和服の襟先(えりさき)から褄先(つまさき)
までの称。
立札: 立札(たてぃふだ)。
縦横: 縦横(たてぃゆく)。
立てる: 立(た)てぃゆん。
建てる: 建(た)てぃゆん。
たでる: たでぃゆん。 ※たでるは、冷水または温湯に浸した布を患部に当てて、炎症
や充血をとり去る、という意味。
たとえ: 例(たとぅ)い。
たとえば: 例(たとぅ)れえ。
たとえ話: 譬(たとぅ)い話(ばなし)。
譬(たと)える: 譬(たとぅ)ゆん。
棚: 棚(たな)。
七夕: 七夕(たなばた)。
棚引く: 棚引(たなび)ちゅん。
谷: 底(すく)。谷(たに)。さく。
田螺(たにし): 田蜷(たあんな)。 ※蜷(にな)は、古い日本語である。
他人: 人(ちゅ)あな者(むん)。
多人数: 大人数(うふにんず)。
狸寝入(たぬきねい)り: 眠(にん)たん風(ふう)なあ。
種: 物種(むんちゃに)。実(さに)。 ※実(さね)・核(さね)は、真(さ)根(ね)
で、日本書紀にも見える古い言葉である。
種油(たねあぶあ): 真油(まああんだ)。 ※種油は、菜種から搾り取った油。
種下ろし: 種下(たにう)るし。 ※種下ろしは、種を田畑にまくこと。
種付けをする: 付(つぃ)きゆん。 ※種付けは、家畜の雄と雌を交配させること。
種豚: 雄豚(ううわあ)。 ※発音は、wuuwaaに近い。
種まき: 種下(たにう)るし。
楽しい: 嬉(うっ)しゃん。
楽しみ: 衆生(しゅじょお)。楽(たぬ)しみ。
楽しむ: 楽(たぬ)しぬん。
頼まれ物: 言遣(いや)い物(むん)。
頼み: 頼(たぬ)み。
頼みにする: たるがきゆん。
頼む: 頼(たぬ)ぬん。
頼もしい: 肝上(ちむうぃい)。
頼母子講(たのもしこう): 模合(むええ)。
束(たば): 束(つぃか)。束(たば)い。
駄馬: 荷負(にいうう)さあ。
煙草(たばこ): 煙草(たばく)。
煙草入れ: 切(ち)り溜(た)み。
煙草盆: 煙草盆(たばくぶん)。
煙草屋: 煙草町屋(たばくまちや)。
束ねる: 束(たば)ゆん。
旅: 旅(たび)。
旅の人: 旅(たび)ぬ人(ちゅ)。
旅の宿: 旅宿(たびやどぅ)。
足袋: 足袋(たあび)。
度(たび): 数(かあじ)。 ※たとえば、歩くたびは、歩(あ)ちゅるかあじ。
旅歌: 声仁屋(くぇえな)。 ※くぇえなは、旅人の平安を祈るために、留守家族・親類
の女たちが集まって歌う長い歌。旅歌と訳される。
旅装束: 旅(たび)すがい。
旅立ち: 旅立(たびだ)ち。
たびたび: かじかじ。
旅人: 歩(あ)っちゃあ。
タブー: 嫌(ちれ)え物(むん)。
だぶだぶ: わぶわぶ。
たぶん: 良(い)い頃(くる)。多分(たぶん)。大方(ううかた)。
食べ残し: 喰(か)み残(ぬく)し。
食べ物: 喰(か)み物(むん)。物(むぬ)。物(むん)。 ※竹取物語、宇津保物語の中
でも、物とは食べ物のことである。
食べる: 喰(か)ぬん。召(み)せえん。押上(うしゃ)がゆん。 ※後の二つは敬語
である。日本語の古語では、聞こし召す、と言う。
多忙: 繁多(はんた)。謀(たばか)い。 ※日本語の謀(たばか)るは、もともとは、
いろいろと思い巡らすことである。竹取物語、源氏物語でも、そのような意味に使わ
れている。
打撲傷: 打(う)ちち。 ※うつぃちは、お月様のこと。
玉: 玉(たま)。
賜う: 賜(たぼお)ゆん。
卵酒: 卵酒(たまぐざき)。
卵焼き: 卵(くうが)ふわふわあ。 ※日本語で、ふわふわは、おいしい玉子焼きのほ
め言葉になっている。
魂(たましい): 遺念(いにん)。守(まぶ)い。守(まぶ)やあ。魂(たまし)。魂(た
ましい)。 ※遺念は、死者の残した霊魂のこと。まぶい、まぶやあは、生きている人
の魂。沖縄には、人が極度に驚いたときに魂が抜けるという迷信がある。
魂が抜ける: 守(まぶ)い抜(ぬ)ぎゆん。
魂が抜けること: 守(まぶ)い落(う)てぃ。
魂を込めること: 守(まぶ)い込(ぐ)み。 ※これには、儀式がある。ごちそうと、
本人の着物を、魂が落ちた現場へ持って行き、その着物の中に魂を招き入れて持って
帰り、本人にごちそうを食べさせると同時に、その着物を着せる。ごちそうの膳には
小石三個を置き、茶碗に一杯水を用意して、ごちそうを食べる前に、まぶやあ、まぶ
やあ、ううてぃくうよお、うふめえ、やとぅめえ、くぃらやあ。(魂、魂、ついて来い、
大きな大きなめしをやるぞ)と言って、その水をひたいに指で三度つける。私は小学
校6年の時に三階の屋上から落ちたことがある。さいわい、下に大きな木があり、そ
れがクッションとなり、軽かったせいか、ほとんど無傷だった。その時にこの儀式を
してもらった記憶がある。
騙(だま)し討ち: 騙(だま)し討(う)ち。抜(ぬ)じ討(う)ち。
騙(だま)す: 騙(だま)しゅん。抜(ぬ)じゅん。賺(しか)しゅん。
たまたま: 片々(かたがた)。
玉の緒: 玉(たま)ぬ緒(うう)。 ※玉の緒は、首飾りの玉を貫くための紐のこと。ま
たその首飾り全体をさす言葉。中古以後は、露をさす言葉ともなった。源氏物語でも
露の意味で使われている。また、玉と魂が同音であることから、命をつなぎとめる紐
の意味ともなった。百人一首、「玉の緒よ絶えなば絶えね、」はその意味。琉球語では
ただ単に、玉を通す紐の意味だと思われる。
溜(た)まり: 溜(た)まい。 ※溜まりは、集まること、あるいは人の集まる場所の
こと。また、味噌からしたたる汁を溜まりという。醤油は溜まりから作る。
黙り込む: 黙(だん)じゃまゆん。うっ噤(つぃぐ)ぬん。
溜まり水: 溜(た)まい水(みずぃ)。
溜まる: 溜(た)まゆん。
黙る: 黙(だま)ゆん。黙(だん)じゃまゆん。噤(つぃぐ)ぬん。
賜り物: 御賜(うたび)み為(せえ)物(むん)。
田虫(たむし): ぐちゃふぁ。 ※田虫は、皮膚病のこと。
為: 為(たみ)。
溜め息: 大息(うふいいち)。
試し: 試(たみ)し。
試す: 試(たみ)しゅん。
ためらう: 受(う)けえゆん。
溜める: 溜(た)ぶゆん。蓄(たくうぇえ)ゆん。溜(た)みゆん。
矯(た)める: 矯(た)みゆん。
だめを押す: 鍵掛(かじか)きゆん。
保つ: 保(たむ)ちゅん。
保つこと: 保(たむ)ち。
袂(たもと): 袂(たむとぅ)。
たやすい: 胴安(どぅうや)っさん。
たやすく: 胴安(どぅうや)すぃってえん。安々(やすぃやすぃ)とぅ。安(やすぃ)
ってえん。
便り: 宛(あ)てぃ。便(びん)。沙汰(さた)。便(たゆ)い。音(うとぅ)。音沙汰(う
とぅさた)。訪(うとぅずぃ)り。
頼り: 頼(たゆ)い。
頼りない: ぶらさん。 ※ぶれない政治などの、ぶれると関係がある語と思われる。
頼る: うっ付(ちゃ)かゆん。
盥(たらい): 半切(はんじ)り。盥(たあれえ)。 ※桶(おけ)の底を半分に切った
形なので、半切り、と言う。顔とか髪とかを洗うのは、鬢盥(びんだれえ)である。
だらしない者: だらあ。だるう。伸切(ぬばち)り者(むん)。為爛(すぃくた)やあ。
※爛(くた)るは、日本書紀にも見える古い言葉である。
垂らす: 垂(た)らしゅん。
たらたら: たらたら。
だらだら: だらあくぁらあ。だらだら。だるうくぁるう。じいじい。
足りない: 果敢(はが)なさん。
足りる: 足(た)ゆん。足(た)りゆん。
足りないこと: ぶらあり。
樽: 樽(たる)。
だるい: だるさん。
だるそうな人: だい者(むん)。
垂木(たるき): きち。 ※垂木は、棟(むね)から桁(けた)へわたす長い木材。
たるんでいること: 弱(よお)るう。
誰: 誰(たあ)。誰(たる)。
誰か: 誰(たあ)がな。誰(たん)がな。
誰の物: 誰物(たあむん)。
垂れ下がる: 垂(た)い下(さ)がゆん。
垂れた頬: 頬垂(ふうた)い。
垂れる: 垂(た)りゆん。
だれる: だゆん。だりゆん。
〜だろう: 〜はじ。
たわごと: 振(ふ)り物言(むに)い。振(ふ)り物言(むぬい)い。
束子(たわし): さあら。
撓(たわ)む: 撓(たま)ゆん。
戯れ: 戯(たわふ)り。
撓(たわ)める: 撓(た)みゆん。
俵(たわら): 俵(たあら)。
痰(たん): かさぐい。痰(たん)。
反(たん): 反(たん)。 ※反は田の面積をはかる単位。
段(だん): 段(だん)。
団(だん): 人数(にんず)。
断崖: 淵端(ふちはんた)。
断崖絶壁: 大切端(ううちりばんた)。
短気: 火急(くぁちゅう)。短気(たんち)。
短気な人: 短気(たんちゃ)あ。
痰切り: 痰散(たんち)らし。 ※痰切りは、痰をとめること、または、その薬。
団子: 団子(だんぐ)。
談合: 談合(だんごお)。
暖国(だんこく): 温国(ぬくぐに)。
端座: 足曲(ふぃさまん)ち。 ※端座は、正しい姿勢で座ること。
胆汁: 胆(いい)。
単純な人: 真(ま)っすぃいぐう。
談笑: 物言(むぬい)い笑(われ)え。
誕生日: 生(う)まり日(びい)。 ※昔は、今のように年ごとに誕生日を祝う習慣はな
かったようである。これは、日本本土も同じで、かわりに沖縄では、年日(とぅしび
い)といって、自分の生まれた干支の年にお祝いをした。つまり十二年に一度の誕生
日である。現在の食卓を見ていると毎日が誕生日のようである。
単身: 身(み)すぃがら。 ※身すがら、という日本語がある。単身という意味である。
神奈川県・宮崎県の一部にも残っているようである。
箪笥(たんす): 箪笥(たんすぃ)。
淡水: 天水(あまみずぃ)。
男装: 男(うぃきが)すがい。
嘆息: 大息(うふいいち)。
だんだんと: 次第次第(しでえしでえ)に。
段違い: 段変(だんが)わい。
段違いである: 段(だ)ぬん成(な)らん。
暖竹(だんちく): でえく。 ※暖竹は、竹に似たイネ科の多年草。
端緒: はか口(ぐち)。
探偵: 探偵(たんてぃい)。
暖冬の年: 温年(ぬくどぅし)。
ダンドク: カンナ。 ※とても沖縄らしい花である。種子が散弾銃の弾のように見える
ことから、英名は、indian shot である。ちなみに、テレビドラマに「カンナーさん」が
ある。宜野座村に漢那(かんな)という地名がある。
旦那: 旦那(だんな)。しゅうめえ。
断念: 安(やす)んじ。思切(うみち)り。
断髪: 断髪(だんぱつぃ)。断髪(らんぱつぃ)。
談判: 掛合(かきえ)え。
担保: 形(かた)。質持(しちむ)つぃ。抵当(てぃいとお)。
田んぼ: 田(たあ)ぶっくぁ。
短命: 短命(たんみい)。
弾力が強い: しぷさん。
弾力が強い物: しぷう。
談話: 物語(むぬがたい)。
痰(たん)を取る薬: 痰散(たんち)らし。
ち
血: 血(ちい)。
地: 地(じい)。
地位: とぅい位(くれえ)。座(ざあ)。
小さい: 細(ぐま)さん。細(くう)さん。
小さい物: 細(ぐま)あ。細物(ぐまむん)。
知恵: 精(せえ)。性(しょお)。存分(ずぃんぶん)。
近い: 近(ちちゃ)さん。近(ちか)さん。
違い: 相違(そおい)。
近いうち: 此(く)ぬ内(うち)。
違う: 変(か)わゆん。
近く: 近辺(ちんぴん)。側(はた)。根(にい)。
近頃: 此間(くねえだ)んし。此頃(くぬぐる)んし。
近付く: 近付(ちかづぃ)ちゅん。
近付ける: 近付(ちかづぃ)きゆん。
近道: 近道(ちかみち)。くん切道(ちりみち)。
近寄る: 近寄(ちかゆ)ゆん。
力: 力(ちから)。堪(て)え。
力石: 差(さ)し石(いし)。 ※力石は、力だめしに抱え上げる大きな石。神社などに
置いてあった。沖縄では、村の広場に置いてあったらしい。
力こぶ: 腕(うでぃ)むるし。 ※琉球語のむるしは塊のこと。
力だめし: 力試(ちからだみ)し。
力持ち: 力(ちから)あ。力持(ちからむ)ち。輩(やから)。輩者(やからむん)。
知行: 知行(ちじょお)。うぇえか地(じ)。
乳兄弟: 乳兄弟(ちちょおでえ)。
ちきり: まちちゃ。 ※ちきりは、織機具で、縦糸を巻き取るのに用いる。
契り: 契(ちじ)り。言語(いかたれ)え。堅(かた)み。 ※いかたれえは、男女の
契りをいう文語である。かたみは、言葉を固めるという意味であろう。
畜生: 畜生(ちくしょお)。生(い)ち虫(むし)。犬猫(いんまやあ)。犬猫(いんまゆ)。
ちぐはぐ: 片具混(かたぐうまん)ちゃあ。 ※かたぐうまんちゃあは、ペアーな物が
そろわずに、片方ずつが混ざった状態。昔は、特に履き物などでこの状態がおきた。
乳首: 乳(ちい)ぬ首(くび)。
地券: 差出(さしだし)。 ※地券は、官が発する土地所有に関する証書。この場合は、
明治維新の地租改正後の地券のことだろう。
苣(ちしゃ): 苣菜(ちしゃな)。苣菜葉(ちしゃなばあ)。 ※苣(ちしゃ)は、いわゆ
る、レタスのことである。レタスは球状であるが、ちしゃなは、丸くないレタスをい
うようである。ちしゃなは、沖縄では、油で炒めたり、おつゆに入れたりして食べる
ようである。
知人: 知(し)り合(え)え。
血筋: 血筋(ちいしずぃ)。筋(すぃじ)。たっくぃい。
遅速: 遅(にい)さ早(ふぇえ)さ。
乳: 乳(ちい)。乳(ちい)ぶっくぁ。 ※ぶっくぁは、ふくれたものを表す接尾辞。
父: すう。たありい。 ※士族の子孫は、たありい、を使うようである。
父親: 男(うぃきが)ぬ親(うや)。父親(ちちうや)。 ※うぃきがぬうやは、持って
回ったような言い方だが、ふつうの言い方で、第三者は大体こう言う。ちちは、やま
とことばである。
縮こまる: しちりんちゅん。竦(すく)ぬん。
乳離れ: 乳別(ちいあか)り。 ※別(あか)るは、離れるという意味の日本語の古語
で、蜻蛉日記、宇津保物語にも見える。
乳離れさせる: 散(あか)しゅん。 ※散(あか)つは、分散するという意味の日本語
の古語である。なお、別(あか)るが自動詞で、散(あか)つが他動詞である。
乳不足: 乳(ちい)がじり。 ※がじりは、やせ細ること。
縮まる: まぐゆん。
縮みあがる: 縮曲(ちぢま)がゆん。
縮み織り: 縮(ちぢ)み。 ※縮み織りは、織り地の一つ。織り上げたあと、温湯の中
で揉んでわざと縮ませ、しわをよせたもので、そのしわの具合がしぶい。発想がすご
い。
縮む: 縮(ちぢ)ぬん。
縮める: 縮(ちぢ)みゆん。
縮れ毛: 縮(ちじゅ)う。
秩序を乱す人: 山散(やまち)り者(むん)。
窒息(ちっそく): 息惑(いいちまでぃ)い。
千歳蘭(チトセラン): 虎(とぅら)ぬ尾(じゅう)。 ※ポピュラーな観葉植物である。
メイクマンなどに行くとサンセベリアと表記してある。琉球語はきわめて的確な比喩
である。
血止草(チドメグサ): 血止(ちいどぅ)み草(ぐさ)。 ※チドメグサは、いたるとこ
ろに見える雑草である。この草を血止めに使ったらしい。科学的にも正しいらしい。
チドメグサの花は五弁の可憐なはなである。
千鳥: 千鳥(ちじゅい)。千鳥(ちじゅやあ)。浜千鳥(はまちどぅり)。 ※浜千鳥とい
う琉球民謡がある。
千鳥足: よおがあふぃいがあ歩(あ)っち。
乳飲み子: 乳飲子(ちいぬみんぐぁ)。
知花焼: 知花焼(ちばなや)ち。 ※ネットの画像を参照。
ちび: 詰(つぃ)まるう。程細(ふどぅぐ)う。いんちょお。細(くう)てえ。細(く
う)てえまあ。細(くう)てえぬう。むんちゃん。むんぐぁあ。
乳房: 乳房(ちいぶっくぁ)。 ※乳、参照。
茶: 茶(ちゃあ)。御茶(うちゃ)。 ※とおとおめえに供える御茶を御茶湯(うちゃと
お)と言う。
茶うけ: 茶分(ちゃわ)き。
茶菓子: 茶菓子(ちゃぐぁし)。
茶化す: 淡返(あふぁげえ)りゆん。
茶殻(ちゃがら): 茶滓(ちゃあかすぃ)。
茶器: 茶道具(ちゃどおぐ)。茶碗道具(ちゃわんどうぐ)。
茶の間: 中前(なかめえ)。 ※中庭の前の部屋という意味らしい。
茶柱: 茶(ちゃあ)ぬ芯(しん)。
矮鶏(ちゃぼ): 矮鶏(ちゃあん)。
茶盆: 茶盆(ちゃぶん)。 ※ちゃぶんという琉球語はよく聞くが、茶盆という日本語は
あまり聞かない。
茶碗: 茶碗(ちゃわん)。 ※御飯を入れるのは、まかい、である。
チャンス: 場所(ばしゅ)。拍子(しょおし)。
ちゃんと: ちゃんとぅ。しかとぅ。しかっとぅ。
注意する: 心入(くるり)ゆん。
中央: 真(ま)ん中(なか)。
仲介: 仲立(なかだ)ち。中入(なかい)り。
中間: 中場(なかば)。二中(たなか)。
注記: 間書(ええざが)ち。
中空: 中深(なあかあふうかあ)。中辺(なかび)。 ※おもろさうし・687に、なか
へ、と見える。
忠告: 寄(ゆ)し事(ぐとぅ)。
忠告する: 寄(ゆ)しゆん。
中国: 唐(とお)。
中国語: 唐(とお)ぬ口(くち)。
仲裁する: 渡(わた)しゅん。
中皿: 中皿(ちゅうざら)。すうりい。
中止: まい。 ※しまいの、まい、と思われる。
中傷する: 言(い)いくじゆん。汚(ゆく)しゅん。刮(き)じゅん。 ※くじるは、
あれこれ詮索すること。
注進: 注進(ちゅうしん)。
忠臣: 忠臣(ちゅうしん)。
中心: 真(ま)ん中(なか)。
忠節: 忠節(ちゅうすぃち)。
躊躇(ちゅうちょ): 後退(あとぅしじ)ち。
中天: 中辺(なかび)。
中途: 道中(みちなか)ら。中(なか)ら道(みち)。
中途半端: 中違(なかたげ)え。
中風(ちゅうぶう): 中風(ちゅうふう)。 ※中風は、脳出血、脳梗塞などの後におこ
る半身不随などの症状をいう。
注文: 注文(ちゅうむん)。
中門: 中門(ちゅうむん)。
腸: 胃腸(いいわた)。腸(わた)。
庁: 庁(ちょお)。
蝶: 侍(はべ)る。侍(はび)る。 ※あたかも、人のそばに侍るようであることから
この名があるようだ。蛾もはべるである。混効験集、乾巻:気形に、はべる、坤巻:
気形に、はへる、とある。おもろさうし・479に、はへる、とある。
長: 頭(あたま)。頭(かしら)。
長歌: 連(つぃら)に。 ※つぃらには、琉歌を二人以上で読み連ねること。
超過する: 這上(はや)がゆん。
帳消し: ちゃあふぃいふぃい。
兆候: 催(むゆう)し。為掛(しか)き。印(しるし)。
調合する: 合(ああ)しゅん。
彫刻: 彫(ふ)い物(むん)。
調査: 改(あらた)み。
丁子(ちょうじ): 丁字(ちょおじ)。 ※丁子は、香辛料の一つ。英名はcloveである。
丁子袋: 丁字袋(ちょおじぶくる)。 ※要するに、匂い袋の一種である。
丁子風炉(ちょおじぶろ): 丁字風炉(ちょおじぶる)。 ※丁子風炉は、丁子を焚くた
めの香炉。風炉は、ふろと読む。
長寿: 長命(ちょおみい)。長生(ながい)ち。
長春花(チョウシュンカ): 長春(ちょおしゅん)。 ※長春花は、庚申薔薇(コウシン
バラ)ともいう。バラ科バラ属の植物である。
長所: 取(とぅ)い所(どぅくる)。
嘲笑: 欺(あざむ)ち笑(われ)え。嘲笑(あざわれ)え。
嘲笑する: 笑(われ)えくじゆん。
頂上: 頂(つぃじ)。 ※山の頂は、山(やま)ぬ頂(つぃじ)。
重畳: 重畳(ちょおじょお)。 ※重畳は、この上もなく喜ばしいことを言う場合がある。
手水: 手水(ちゅうじ)。
手水鉢: 手水鉢(ちゅうじばあち)。
朝鮮: 高麗(こおれえ)。
超然としていること: 高打上(たかうちゃ)ぎ。
超然とする: 高打上(たかうちゃ)ぎしゅん。
頂戴する: すぃでぃゆん。
提灯: 提灯(ちょおちん)。
提灯持ち: 提灯持(ちょおちんむ)ち。
長途: 長道(ながみち)。
丁度: つぃんとぅ。丁度(ちょおどぅ)。
丁度よい: 似合(なわ)ゆん。
長男: 嫡子(ちゃくし)。長男(ちょおなん)。
挑発する: わくゆん。
重宝: 便利(びんり)。たなり。
蝶結び: 大和結(やまとぅむす)ん。
長命: 長命(ちょおみい)。長生(ながい)ち。
帳面: 帳面(ちょうみん)。
長老: 長老(ちょおろお)。
調和する: 撓(すぃな)ゆん。打合(うちゃ)ゆん。
調和すること: 打合(うちゃ)い撓(しな)い。 ※撓うは、撓い、撓おやに、撓て、
撓は、撓へ、撓へて、撓よは、撓よわ、などなど、おもろさうしに頻出。
直腸: 尻(つぃび)ぬ回(まあ)い。胃腸小(いいわたぐぁあ)。
ちょこちょこすること: 細(ぐま)がさがさ。
ちょっと: びっちぇえん。びっちぇえんぐぁあ。いきらぐぁあ。くうてえんぐぁあ。
ちょと見: あったばじょお。
ちょっぴり: びっちぇえん。びっちぇえんぐぁあ。いりらぐぁあ。くうてえんぐぁあ。
ちょろまかす: けえ取(とぅ)ゆん。
ちょん切る: 押(う)し切(ち)ゆん。
散らかす: 散(ち)らかしゅん。しぜえらかしゅん。
散らかる: 放(ほお)りゆん。しぜえりゆん。
散らかっていること: かち放(ほお)りい。
散らし薬: 散(ち)らし薬(ぐすい)。 ※散らし薬は、患部のはれや痛みをひかせるの
に使う外用薬。
散らす: 散(ち)らしゅん。放(ほお)ゆん。
塵(ちり): 塵(ちり)。
塵芥(ちりあくた): 塵芥(ちりあくた)。
散り散り: 散(ち)り散(ぢ)り。なあ散(ち)り散(ぢ)り。とぅっちらはっちら。
塵取り: 塵取(ちりとぅ)い。
治療: 養生(よおじょお)。
散る: 散(ち)りゆん。
賃借り: 賃銭借(ちんしんが)い。
賃銭: 賃銭(ちんしん)。
沈着: 落(う)てぃ付(つぃ)ち。
沈殿する: 居(い)ゆん。
沈殿物: ぐり。 ※ごりは、水の底に沈んだごみやかすなどをいう日本語である。
闖入者(ちんにゅうしゃ): わがかい者(むん)。
闖入(ちんにゅう)する; わがかゆん。
ちんば: ごおいい。ごおやあ。ぐうなあ。ぐうにい。ねえがあ。ねえぐう。ねえざあ。
※ちんばは、微妙な言葉であるが、これだけの琉球語が存在するので省略できない。
ちなみに、苦瓜のごおやあは、関係がある語である。野水(やすい)の句に「霧に舟
曳く人はちんばか」がある。水墨画のような句である。この句は、ちんばという語が
なければなりたたない。
つ
対: 対(つぃい)。
費え: 作(つぃく)り。造作(ぞおさ)。
費える: 作(つぃく)りゆん。たありゆん。絶(てえ)ゆん。
追加する: 入(い)り添(すぃい)ゆん。負(うぁあ)しゅん。
朔日(ついたち): 朔日(つぃいたち)。
ついで: 序(つぃい)でぃ。
ついに: 後(あとぅ)ぬうじゅみ。よおやく。
追放: 処払(とぅくるばれ)え。
費やす: 絶(てえ)しゅん。
痛飲する: かすぃゆん。
通じ: 通(つう)じ。
通人: 修行人(しゅじょおにん)。
通達: 達(たっ)し。
通訳: 通事(とぅうじ)。
通路: 通(とぅう)い道(みち)。
杖: ぐうしゃん。
塚: 塚(つぃか)。
使い: 使(つぃけ)え。
使い方: 使(つぃけ)え方(かた)。
使いこなす: 扱(あつぃか)ゆん。
使い込む: ふがしゅん。 ※ほがすは、穴をあけるという意味で、日本国語大辞典に載
っている。九州ではふつうの言葉のようである。
使いにくい: 扱(あつぃけ)え苦(ぐり)さん。
使いにやる: 使(つぃか)ゆん。
使い減り: 使(つぃけ)え減(びな)い。
使い道: 使(つぃけ)え道(みち)。
使う: 使(つぃか)ゆん。
仕える: 謙合(ふぃら)ゆん。わんだゆん。
支える: 支(つぃけ)ゆん。
つかまえる: 摑(かつぃみ)ゆん。
つかみあい: 取合(とぅえ)え摑(つぃかめ)え。
つかむ: 掴(つぃか)ぬん。掴(かつぃみ)ゆん。
漬かる: 漬(つぃか)ゆん。
疲れ: 草臥(くたん)でぃ。為草臥(すぃいくたん)でぃ。
疲れる: 疲(つぃか)りゆん。草臥(くたん)でぃゆん。茹(う)たゆん。 ※琉球語
の、うたゆんは、日本語の茹(う)だると関係があるように思われる。
遣わす: 遣(つぃか)ゆん。
月: 月(つぃち)。唐唐(とおとお)。唐唐加那志前(とおとおがなしいめえ)。唐唐前(と
おとおめえ)。 ※先祖をまつる仏壇も、「とおとおめえ」と言う。
継ぎ(衣服の): くう。
次: 後(あとぅ)。
付き合い: 触合(ふぃれ)え。交(まじわ)い。人触合(ちゅびれ)え。取合(とぅえ)
え触合(ふぃれ)え。取(とぅ)い合(え)え。取(とぅ)い触合(ふぃれ)え。取
(とぅ)い交(け)え。
付き合いにくい: 触合(ふぃれ)え苦(ぐり)さん。
付き合いにくい人: 触合(ふぃれ)え苦(ぐり)い。
付き合いやすい: 触合(ふぃれ)え安(やっ)さん。
付き合う: 触合(ふぃら)ゆん。交(まじわ)ゆん。
突き開ける: 突(つぃ)ち開(あ)きゆん。突(つぃ)ちふがしゅん。
つきあたり: 突(つぃ)ち当(あ)たい。
つきあたる: 突(つぃ)ち当(あ)たゆん。
継ぎ合わせる: 継合(つぃざあ)しゅん。
搗(つ)き臼(うす): 搗(つぃ)ち臼(ううすぃ)。
月影: 月影(つぃちかじ)。
月暈(つきがさ): 天傘(あまがさ)。月(つぃち)ぬ天傘(あまがさ)。 ※月暈は、大
気中に浮遊する氷晶によって、月の光が反射または屈折して生じる光の環。混効験集、
坤巻:乾坤に、あまがさ、とある。ちなみに、日本国語大辞典の、あまがさ、には混
効験集が引用されている。
接ぎ木: 接(つぃ)じ木(き)。
突きくずす: 掻(か)ち崩(くん)しゅん。
突き刺す: 突(つぃ)ちくじゆん。
月末: 月末(つぃちすぃい)。
突き出す: ねえゆん。
付き飛ばす: 押(う)し返(けえ)らしゅん。
突き抜ける: つぃんぷきゆん。
月のもの: 月(つぃち)ぬ物(むん)。
継ぎはぎ: 継合(つぃざ)あ接合(はざ)あ。継合(つぃざ)あし接合(はざ)あし。
継ぎはぎだらけ: くうしいいかんしい。
突き放す: 突(つぃ)ち放(はな)しゅん。
月日: 月日(つぃちふぃ)。
つきまとう: まちぶゆん。
つきまとうこと: 掛(か)かい縋(すぃが)い。後引(しりふぃ)ち前引(めえふぃ)
ち。
月見: 月見(つぃちみ)。月眺(つぃちなが)み。
継ぎ目: 継(つぃ)じ口(ぐち)。
憑(つ)き物: 掛(か)かい物(むん)。 ※憑き物は、人にとりついて災いをなすと信
じられている霊のこと。
月夜: 月(つぃち)ぬ夜(ゆう)。月夜(つぃちゅう)。 ※月の夜(よる)という日本
語はあまり聞かない。もしかするとないのかもしれない。
月割り: 月割(つぃちわ)い。
付く: 付(つぃ)ちゅん。
着く: 着(つぃ)ちゅん。
点く: 点(つぃ)かゆん。
突く: 突(つぃ)ちゅん。
撞(つ)く: 撞(つぃ)ちゅん。
憑(つ)く: うっちゃかゆん。
憑(た)くこと: たあり。 ※混効験集、坤巻:言語に、たあれ、とある。
継ぐ: 継(つぃ)じゅん。
注ぐ: 注(つぃ)じゅん。
机: しゅく。
尽す: 尽(つぃく)しゅん。わんだゆん。
つくづく: つぃくずぃく。ゆくうゆくう。
償う: 弁(わんちゃめ)えゆん。 ※弁(わきま)えるには、償うという意味がある。
今昔物語では、そのような意味で使われている。
償わせる: 佩(は)きゆん。
鶫(つぐみ): 毛鳥(もおとぅい)。 ※混効験集、坤巻:気形に、まう鳥、とある。も
おは、野原、原っぱを表す琉球語。あるいは、舞鳥(もおとぅい)かもしれない。
噤(つぐ)む: 噤(つぃぐ)ぬん。
作り: 造作(ぞおさく)。
作りかえ: 作(ちゅく)い変(け)え。
作り方: 作(ちゅく)い方(かた)。為法(すぃいほお)。
作り声: 作(ちゅく)い声(ぐぃい)。
作りごと: 作(ちゅく)い事(ぐとぅ)。作(ちゅく)い物言(むぬい)。作(ちゅく)
い物言(むぬいい)。 ※ちゅくいむぬい(い)は、フィクションのことである。
造り酒屋: 酒屋(さかや)。
作りそこない: 作(ちゅく)い破(やん)じ。
作り付け: 為付(すぃつぃ)き。
作り付けにする: 為付(すぃつぃ)きゆん。
作り話: 作(ちゅく)い話(ばなし)。
作り笑い: 作(ちゅく)い笑(われ)え。
作る: 作(ちゅく)ゆん。仕立(したてぃ)ゆん。
繕う: 継(つぃ)じゅん。繕(ちゅくり)ゆん。繕(ちゅくりい)ゆん。
告げ: 告(つぃ)ぎ。
つけあがる: 甘(あめえ)ゆん。付上(つぃちゃ)がゆん。
付け木: 付(つぃ)き竹(だき)。 ※付け木は、火を移して点じるのに使う木片のこと。
付け薬: 付(つぃ)き薬(ぐすい)。
告げ口: 付上(つぃちゃ)ぎ申上(もおしゃ)ぎ。荒神(こおじん)。申上(もおしゃぎ)。
※荒神は、かまどの神様であるが、告げ口とどういう関係があるのか。
告げ口する: 荒神(こお)しゅん。
付け届け: 付(つぃ)き届(とぅどぅ)き。
漬け菜: 漬(つぃ)き菜(な)。
付け根: 付(つぃ)ち口(くち)。根肉(にいしし)。
付け火: 付(つぃ)き火(び)。
付け紐(ひも): 着物(ちん)ぬ緒(うう)。 ※付け紐は、小児の着物の胴に縫い付け
ている紐のこと。
漬物: 漬物(つぃきむん)。
付ける: 付(つぃ)きゆん。
漬ける:漬(つぃ)きゆん。
告げる: 告(つぃ)ぎゆん。
都合: 都合(つぃごお)。たなり。
辻君(つじぎみ): 南尾類(ふぇえじゅら)あ。南尾類(ふぇえじゅり)。三貫(さんぐ
ぁな)あ。 ※辻君は、夜間、通行人を客として春を売る女の人。さんぐぁなあは、
銭、三貫で身を売ったからできた言葉。ふぇえは、たぶん、蝿のことだと思われるが、
あまりにも、過激な表現なので、南の字を当てた。
辻褄(つじつま): 尻口(ちびくち)。 ※辻も褄も、着物の部分をさす言葉で、きちん
と合うべき場所。着物のどの部分を指すのかは、知らない人が多いと思う。
蔦: 蔦(つぃた)。
伝え話: 伝(つぃて)え話(ばなし)。
伝える: 伝(つぃた)ゆん。伝(つぃてえ)ゆん。
伝わる: 伝(つぃた)わゆん。
土: 丹地(んちゃ)。 ※丹は、土のことで、古事記にも見える。たぶん、この語と関係
があると思われる。
土遊び: 丹地持(んちゃむ)たあん。
土塊(つちくれ): 丹地塊(んちゃぶく)。
戊(つちのえ): 戊(つぃちにい)。
己(つちのと): 己(つぃちぬとぅ)。
土踏まず: 足(ふぃしゃ)ぬ腹(わた)。
つっかい棒: 付(つぃ)かし。
つっかかる: とぅっ掛(か)かゆん。
続き: 連(つぃ)るぎ。
突(つつ)く: 突(つぃつぃ)ちゅん。
続く: 連(つぃ)るがゆん。続(つぃずぃ)ちゅん。
続けてする: 元通(むとぅとぅう)ゆん。元通(むとぅとぅう)しゅん。
つっけんどん: ちいくぁあにいくぁあ。
つっけんどんな声: しちぐぃいにいぐぃい。
つっけんどんな返事: 堅返事(くふぁふぃじ)。
突っ込む: うしんちゅん。
慎み: 慎(つぃつぃし)み。
慎む: 慎(つぃつぃし)ぬん。くぐにいゆん。
筒袖(つつそで): 鉄砲袖(てぃっぷうすでぃ)い。 ※筒袖は、着物の袂(たもと)の
ない袖。袂は、袖口の袋のようになった部分。鉄砲袖は、鉄砲のような袖という意味
ではなく、鉄砲を撃つ人が、着ている着物の袖という意味だと思う。
筒抜け: 通(とぅう)るう。大通(ううとぅう)るう。
突っ放す: 押(う)し放(はな)しゅん。
つっぱり: 付(つぃ)かし。 ※このつっぱりは、つっかい棒のこと。
つつましい: 細(くま)さん。所帯細(しゅうてえくま)さん。 ※このつつましいは、
質素であるという意味。
包み: 包(つぃつぃ)み。包(つぃつぃ)ん。
堤: あもおち。あむち。あむとぅ。 ※編むと関係がある語かもしれない。
鼓: 鼓(つずぃん)。
包む: 包(つぃつぃ)ぬん。
綴(つづ)れ: ふくたあ。 ※綴れは、やぶれた部分をつなぎあわせた衣服。
つて: 伝手(つぃてぃ)。引(ふぃ)ち。
苞(つと): ふぃんとぅ。 ※苞は、わらなどを束ねて食品などを包んだもの。万葉集に
も見える言葉である。
都度(つど): 数(かあじ)。
つとに: 早(ふぇえ)く。 ※つとには、漢字では、夙に、と書く。朝早くという意味
であるが、ただ単に、早くという意味でもある。夙(シュク)は、漢文によくでる語
で、これを何と訓(よ)むかということで、つとに、という読みにしたようである。
勤め: 勤(つぃとぅ)み。
勤める: がらみちゅん。勤(つぃとぅ)みゆん。 ※混効験集、乾巻:言語に、からめ
き、とある。
努める: 努(つぃとぅ)みゆん。
綱: 縄(なあ)。
繋(つな)がる: 繋(つぃる)がゆん。
繋(つな)ぐ: 繋(つぃな)じゅん。繋(つぃる)じゅん。継(つぃ)じゅん。
綱引き: 綱引(つぃなふぃ)ち。
津波: 縋(しが)り波(なみ)。
常: 常(つぃに)。
常に: ちゃあ。
つねる: 抓(つぃ)ぬん。爪付(つぃんつぃ)きゆん。爪呉(つぃんき)ゆん。ふぃん
捥(む)でぃゆん。
角: 角(つぃぬ)。
角細工: 角細工(つぃぬぜえく)。 ※三線の爪は、牛、水牛の角が材料である。
つのまた(海藻の名): 角叉(つぃぬまた)。 ※鹿の角の叉のような感じである。千葉
県、茨木県、沖縄県などで食用にするらしい。
募る: 抜(ぬ)ちゅん。
唾(つば): 唾(つぃん)ぺえ。口汁(くちしる)。
椿: 椿(つぃばち)。
翼: 羽毛(はにげえ)。 ※はにげえは、羽交(はがい)のことだと思う。万葉集・64、
葦辺ゆく鴨の羽交に霜零(ふ)りて寒き夕べは大和し思ほゆ。
燕: まったらあ。
粒: 粒(つぃじ)。
礫(つぶて): 石(いし)ぶく。
潰(つぶ)れる: しぴりゆん。
坪: 坪(つぃぶ)。
壷: 壷(つぃぶ)。
灸点(つぼ): 灸点(つぃぶ)。
壷折り: 壷折(つぃぶ)い。 ※壷折りは、着物の裾をおりからげること。
蕾(つぼみ): 蕾(つぃぶみ)。包(くく)むい。むっくう。
蕾(つぼ)む: 蕾(つぃぶ)ぬん。包(くく)むゆん。 ※日本語の古語、包(くく)
む、あるいは、含(くく)む、と関係がある語だと思う。
壺屋焼き: 壺屋焼(つぃぶやや)ち。
妻: 刀自(とぅじ)。 ※混効験集、坤巻:人倫に、とじ、とある。刀自(とじ)は当て
字で、戸主(とぬし)が縮まった語。日本書紀、万葉集、枕草子、紫式部日記、大鏡、
栄花物語などに見える。
褄(つま): 前側(めえすば)。 ※褄は、着物の裾(すそ)の両端の部分。襟(えり)
の下の部分ということになる。琉球語は比較的わかりやすい表現だと思う。
爪紅(つまくれない): てぃんしゃぐう。 ※鳳仙花(ほうせんか)のことである。英名
は、touch-me-notである。果実は触れるだけですぐにはじける。そのはじけかたがおも
しろく、子供のころによくはじかせて遊んだ。琉球民謡、てぃんさぐぬ花で有名であ
る。昔は、マニキュアがわりに爪にぬったそうである。韓国では、初雪までにその色
が残っていれば、恋が実るという言い伝えがあるらしい。中島みゆきの歌に「ほうせ
んか」がある。
爪先(つまさき): こおとぅ。
爪調(つましら)べ: 爪矯(つぃんだ)み。 ※爪調べは、琴、三線などの弦の調子を
調べること。
躓(つまず)き: きっちゃき。
躓(つまず)く: きっちゃきゆん。
爪弾(つまはじ)き: 弾(はじけ)え弾(はじけ)え。
爪弾(つまび)き: 指弾(いいびばん)ち。
つまみ: 塩気(しゅうち)。 ※酒のつまみのことである。
つまみ洗いする: とぅっちゆん。 ※一部分だけをつまんで洗うことである。
つまみ食い: 拾(ふぃり)いん喰(が)み。鍋探(なあびさぐ)い。
詰まる: 詰(つぃ)まゆん。固(かた)まゆん。差(さ)し詰(つぃ)まゆん。
積み上げる: 積(つぃ)ぬん。
積み重なる: 積(つぃ)むゆん。
積み賃: 積(つぃ)み手間(でぃま)。
罪科(つみとが): 罪科(つぃみとぅが)。
積み荷: 積(つぃ)み荷(に)。
積む: 積(つぃ)ぬん。まじぬん。
摘む: 摘(つぃ)ぬん。
紬(つむぎ): 紬(つぃむじ)。まん。 ※紬は、絹物ではあるが、高級品ではなく、丈
夫なので日常の衣服として用いられた。
紡(つむ)ぐ: 紡(つぃ)んじゅん。
旋毛(つむじ): 巻(まち)。 ※旋毛が二つある人を、二巻(たあちまちゃ)あ、と言
う。
旋風(つむじかぜ): 風巻(かじまち)。
爪: 爪(つぃみ)。
詰め: 詰(つぃ)み。
爪跡: 爪形(つぃみかた)。
冷たい: 冷(ふぃじゅる)さん。
詰め寄る: すぃいち掛(か)かゆん。手繰(たぐ)い掛(か)かゆん。
詰める: 詰(つぃ)みゆん。詰(つぃ)ぬん。
積もる: 積(つぃ)むゆん。積(つぃ)ぬん。
艶(つや): 光(ふぃちゃ)い。
艶が出る: 華(はねえ)ちゅん。光(ふぃちゃ)ゆん。
梅雨: 梅雨(つぃゆ)。
露: 露(つぃゆ)。
強い: 強(ちゅう)さん。
強まる: 強(ちゅう)まゆん。
強める: 強(ちゅう)みゆん。
面: 面構(つぃらがま)ち。
面の皮が厚い人: 面(つぃら)ぬ皮厚(かああつぃ)い。
面当てに: わちゃこおげえじ。
辛い: くつぃさん。
つらがまえ: 面(つぃら)むくみ。
連なる: 連(つぃる)がゆん。
貫く: 貫(ぬ)ちゅん。
連ねる: 連(つぃる)ぎゆん。
つらよごし: 面汚(つぃらゆぐ)し。後引(くしふぃ)ち。
釣り合う: 似合(なわ)ゆん。似合(におお)ゆん。
釣鐘: 撞(つぃ)ち鐘(がに)。
釣り竿(ざお): 釣(つぃ)んぶく。
釣銭: 替(けえ)い。替(けえ)し戻(むどぅ)い。
釣り針: 魚釣(いゆずぃ)い。
弦(つる): 弦(つぃる)。
鶴: 鶴(つぃる)。
蔓草(つるくさ): かんだ。 ※一般に、蔓がある植物をかんだと言う。混効験集、坤巻:
草木に、かむだ、とある。かんだばあは、サツマイモの葉のことである。
吊るし鈎(かぎ): がきじゅう。がきざあ。
つるそば(植物名): しいぼおざあ。 ※タデ科の植物、ソバに花と葉が似ていることか
ら、つけられた名前。ソバもタデ科である。ツルソバの花は集合花で、なんとなく、
金平糖に似ている。
つるつる: なんどぅるさん。
釣瓶(つるべ): 釣(つぃ)い。
つるむ: つぃるぶん。
つるれいし: ごおやあ。
つれあい: 立中(たちなあか)。御結(うむす)び。
つれそう: 連(つぃ)りゆん。添(そお)ゆん。
つれない: 連(つぃ)りなさん。
連れる: 連(つぃ)りゆん。添(そお)ゆん。押(う)し連(つぃ)りゆん。
つわぶき(植物名): つぃふぁふぁ。 ※混効験集、乾巻:草木に、しつくわくわの花と
ある。関係のない花かもしれないが、音が同じような感じである。なお、しつくわの
あとに繰り返しの線があり、おもろ語辞書では、しつくわしつくわの花となっている。
これは、くわを繰り返したものと思う。
悪阻(つわり): 障(さあ)い。
つんのめること: 前(めえ)つぃんた。
つんぼ: 耳(みみ)くじらあ。耳(みん)かあ。耳(みん)くう。耳(みん)くじらあ。
耳(みん)くじり者(むん)。 ※くじるは、ほじくるという意味。どちらかと言うと、
ややユーモアがある感じ。聞こえないふりをすると、みんかあ、みみくじらあ、など
とよく言われた。
て
手: 手(てぃい)。
手がのろい: 手遅(てぃいにい)さん。
手が早い: 手早(てぃいべえ)さん。
手におえない: 肌痒(はつぃこお)りい。取(とぅ)いん摘(つぃ)みん無(な)
らん。
手のいたずら: 手弄(てぃいむた)あん。手(てぃい)ぬがんまり。
手の内: 手(てぃ)ぬ内(うち)。
手の数: 手数(てぃかじ)。
手をくだす: かがなしゅん。
手を出す: ぬしきゆん。
手を加える: かがなしゅん。
手をこまねくこと: 手(てぃ)とお立(だあ)ちい。
手をよごすこと: 手(てぃ)んじゃり。
手をわずらわすこと: 手煩(てぃいわちゃ)れえ。
で(助詞): から。し。さあい。さああに。うてぃ。うとおてぃ。
出会う: 走(は)い行合(いちゃ)ゆん。走合(はやあ)しゅん。行合(いちゃあ)ゆ
ん。行合(いちゃ)ゆん。
手足: 五体(ぐてえ)。手足(てぃいふぃさ)。
手当: 養生(よおじょお)。
手焙(てあぶ)り: 焙炉(ふぃいるう)。手焙(てぃいあぶ)い。 ※手焙りは、手を暖
めるための小さな火鉢(ひばち)。
手洗い: 手洗(てぃいあれ)え。
手荒い: 手荒(てぃいあら)さん。
〜である: やん。
出歩くこと: 歩(あ)っちふぃち。
梯梧(でいご): 梯梧(でぃいぐ)。 ※仲吉本おもろさうし・384に、てし、とある。
尚家本では、てこ、と読める。梯梧は、マメ科の植物で、果実は確かに豆である。花
は、エンドウ、スイトピーに近いようである。1967年に県民投票により、県花に
なったそうである。
体裁: 見様(みいよお)。たなり。
亭主: 亭主(てぃいしゅ)。
ていたらく: 仕方(しかた)。為体(したらく)。
低地: 下(さ)がい。
定置する: 置(う)ち呉(き)ゆん。
丁重: 取屈(とぅいくぐ)に。
程度: 尺(しゃく)。
抵当: 形(かた)。質持(しちむ)つぃ。抵当(てぃいとお)。
丁寧: 丁寧(てぃいにい)。
ティーパーティー: 御茶吹(うちゃふ)かせえ。御茶沸(うちゃわ)かせえ。
停泊: 船掛(ふなが)かい。
出入り: 出入(んじい)り。
手入れ: 持(む)ち成(な)し。手入(てぃいい)り。
手斧(ておの): 与支(ゆうち)。手斧(てぃいん)。さあふんぐぁあ。 ※平安時代の漢
和辞典、新撰字鏡(しんせんじきょう)に、与支(よき)、とある。小さな手斧のこと
である。
手掛かり: 手掛(てぃが)かい。
手加減: 手心(てぃぐくる)。
手加減する: たんきゆん。
手籠(てかご): 手籠(てぃいる)。 ※手籠は、手に提げて持つ籠(かご)。私が小学校
の頃には、竹で編んだショッピングバッグがあった。
でかす: でぃかしゅん。
手枷(てかせ): 手車(てぃいぐるま)。 ※手枷は、今の手錠にあたる。
テカチ(植物名): てぃかち。 ※シャリンバイのこと。バラ科の植物である。花は梨に
近いようである。
手紙: 便(びん)。葉書(はがち)。手紙(てぃがみ)。状(じょお)。
手柄: 手柄(てぃがら)。
敵: 敵(てぃち)。
出来上がる: 出来上(でぃきあ)がゆん。
出来心: 見(み)る欲(ゆく)。
適する: 相応(ふさあ)ゆん。撓(しな)ゆん。相応(ふさ)ゆん。打合(うちゃ)ゆ
ん。
出来損ない: 作(ちゅく)い破(やん)じ。成崩(ないくじ)り者(むん)。
出来損なう: 破(やん)でぃゆん。成外(ないはん)しゅん。成崩(ないくじ)りゆん。
出来立ての食べ物: 為端(しいはな)。
手杵(てぎね): あじん。 ※沖永良部では、杵(きね)のことを、あじむ、と言うらし
い。なお、お月様で餅を搗(つ)いている兎が持っているものは、手杵のようである。
てきぱきしている: 厳(ちび)らしゃん。
できぶつ: 出来(でぃき)やあ。
出来る: 出来(でぃき)ゆん。成(な)ゆん。
天蚕糸(てぐす): 天蚕糸(てぃぐす)。天蚕糸(てぃぐすい)。 ※天蚕糸蛾(てぐすが)
からとれる糸を天蚕糸(てぐす)と言い、丈夫なので、釣り糸に使う。釣り糸のこと
を、てぐす、とも言う。
手癖: 手癖(てぃいぐし)。
出口: 出口(んじぐち)。
手配り: 手配(てぃくば)い。
手首: 手(てぃい)ぬ首(くび)。
手組み: 手組(てぃぐ)み。 ※手組みの手は人のことをいうようである。グループに
分けることを手組みと言うらしい。
出くわす: 走合(はやあ)しゅん。はっちゃかゆん。
梃子(てこ): 梃子(てぃく)。
手心: 手心(てぃぐくる)。
手こずる: 持(む)てぃ分(わ)かしゅん。
手事: 手事(てぃぐとぅ)。 ※手事の手は声に対する語のようで、歌が中断している間
の楽器の演奏をいうようである。特に長い演奏をさすようで、つまり、手で行われる
事という意味らしい。
でこぼこ: ぐうふぁあふぃいふぁあ。とぅがいふぃがい。
手先が器用な事: 手細(てぃぐま)。
手先の仕事: 手仕事(てぃいしぐとぅ)。手業(てぃいわざ)。
手探り: 手探(てぃいさぐ)い。
手仕事: 手仕事(てぃいしぐとぅ)。手業(てぃいわざ)。
手下: 臣下(しんか)。
でしゃばり: ぬしかい者(むん)。差(さ)し跳(はん)き者(むん)。差(さ)し跳(は
ん)かあ。
でしゃばる: 差(さ)し跳(は)んきゆん。
でしゃばること: 前寄(めえゆ)い寄(ゆ)い。前成(めえな)い成(な)い。
前(めえ)ぬばがい。
〜です: 〜でえびる。
手数: 手数(てぃかじ)。
手摺(てす)り: 欄干(だんかん)。欄干(らんかん)。
手製: 胴(どぅう)くる作(づく)い。手作(てぃづく)い。
手相: 手相(てぃそお)。
出だし: うっ立(た)ち。
手助け: 加勢(かしい)。
てだて: 手立(てぃだ)ん。法(ほお)。道(みち)。
手近な: 手近(てぃいぢか)さん。
鉄: 黒金(くるかに)。鉄(てぃつぃ)。 ※混効験集、坤巻・器材に、くろかね、とあ
る。
手支え: 手支(てぃいづぃけ)え。手支(てぃづぃけ)え。
手掴(づか)み: 手掴(てぃいづぃか)あん。
手つき: 手様(てぃいよお)。手振(てぃいふ)い。
手つき足つき: 手様足様(てぃいよおあしよお)。
手作り: 胴(どぅう)くる作(づく)い。手作(てぃづく)い。
鉄扇(てっせん): 黒金(くるかに)い。 ※鉄扇は、骨が鉄でできている扇。
手伝い: 加勢(かしい)。手適う(てぃがね)え。
鉄鍋: 鋳物鍋(いむんなあび)。
出っ歯: 歯打上(はあうちゃげ)え。
鉄瓶: 鋳物薬缶(いむんやっくぁん)。鉄薬缶(てぃつぃやっくぁん)。でっぷり: ぶ
てぃぶてぃいとぅ。
鉄砲: 鉄砲(てぃっぷう)。
徹夜: 夜明通(ゆうあきどぅう)し。
手づる: 伝手(つぃてぃ)。引(ふぃ)ち。
父無し子(ててなしご): やまだなあ。やまだにい。やまだにんぐぁ。やまなしんぐぁ。
※ててなしごは、今は、時代劇でしか聞かない言葉である。私生児を参照。
手無し: 手(てぃ)もお。手(てぃい)もおかあ。手(てぃい)もおくう。手(てぃい)
むっこお。 ※手無しは、手または腕の無い人。この辞典では、現在では、ほとんど
微妙で使われないような言葉が登場するが、これは辞典である。このような言葉があ
ったという事を後世に伝えなければならない。もおは、無いという語感である。
手なずける: 手付(てぃいづぃ)きゆん。 ※てなずけるは、漢字で書くと、手懐ける、
である。
手並み: 手並(てぃな)み。
手習い: 手習(てぃいなれ)え。手習(てぃなれ)え。
手荷物: 持(む)ち荷(にい)。
手拭い: 手(てぃい)さあじ。 ※さあじは、頭に巻きつける鉢巻のこと。
手ぬるい: 緩(ゆる)さん。
掌(てのひら): 手(てぃい)ぬ裏(うら)。手(てぃい)ぬ腹(わた)。手裏(てぃんだ)。
手配: 手組(てぃぐみ)。手配(てぃくば)い。
出入り: 出入(んじい)り。出(んじ)かあ入(い)りかあ。
手はず: 手組(てぃぐみ)。
出端(でばな): 出端(んじはな)。
出花: 入花(いりはな)。出花(んじはな)。 ※出花は、番茶、煎茶などで、湯を注い
だばかりのいいころ。したがってこれは、出たばかりという意味で、花とは関係がな
い。
手放す: 手(てぃい)から放(はな)しゅん。手放(てぃばな)しゅん。
手早い: 手早(てぃいべえ)さん。
手早く: かしいかしい。
でぶ: ぶくとお。ぶったらこお。ぶったらくう。ぶってえ。ぶったあ。ぶっとぅう。肥
(くぇえ)ぶったあ。肥(くぇえ)たあ。肥(くぇえ)とぅう。 ※すべて、ユーモ
アのある言葉に思える。
手不足: 手(てぃい)ぶらあり。手不足(てぃいぶすく)。
出船: 出船(んじふに)。
手ぶら: 虚手(んなでぃい)。虚手空手(んなでぃいからでぃい)。虚胴(んなどぅう)。
虚胴空胴(んなどぅうからどぅう)。
手振り: 手振(てぃいふ)い。手様(てぃいよお)。
手振り足振り: 手様足様(てぃいよおふぃさよお)。
出臍(でべそ): てんぶす。うぇんぶす。
出臍(でべそ)の人:てんぶさあ。うぇんぶさあ。
手弁当: 持飯前(むちばんめえ)。
手本: 雛型(ふぃながた)。枕(まっくぁ)。手本(てぃふん)。 ※日本語の枕は、前置
き、冒頭の部分、落語のイントロなどをさす言葉。
手間: 手間(てぃま)。
手間賃: 手間(てぃま)。手間賃(てぃまちん)。 ※手間賃のことを、琉球語では、単
に、てぃま、と言う。
手間つぶし: 手間(てぃま)だあり。
手枕: 手枕(てぃいまっくぁ)。手枕(てぃまくら)。
手間取る: 絡(からか)ゆん。持居(むっちょおり)ゆん。 ※からかゆんは、日本語
の絡(から)むと関係があると思う。
手真似: 手真似(てぃまに)。
手招き: 手招(てぃまに)ち。手招(てぃいまぬ)ち。手招(てぃまぬ)ち。
手回し: 手回(てぃまわ)し。
手向かい: 手向(てぃいんけ)え。
出迎え: 船迎(ふなんけ)え。 ※旅の出迎えは、沖縄ではたいてい、船迎えであった。
ても(助詞): てえまん。てえん。とぅん。
でも(助詞): んで。
出戻り: 立戻(たちむどぅ)い。 ※嫁に行ったものが、離婚して実家に戻ることであ
る。
寺: 寺(てぃら)。
テラツバキ(植物名): 砂糖木(さあたあぎい)。 ※ネズミモチのことである。果実は、
ネズミの糞、葉は、モチノキに似ていることからの名。琉球名は、葉を揉(も)むと
砂糖の香がすることからの名。テラツバキとあるが、椿の花には似ていない。葉は似
ているかもしれない。
寺参り: 寺物参(てらむぬめえ)。
照り輝く: 照輝(てぃらちゃが)ゆん。
テリハボク(植物名): やなぶ。やらぶ。 ※以前は、オトギリソウ科に属していたよう
である。堅い木で、防風林、あるいは、船の材料になるらしい。
照り渡る: 照(てぃ)り渡(わた)ゆん。
照る: 照(てぃ)ゆん。
出る: 出(んじ)ゆん。 ※日本語の古語、出(い)づが、琉球語として残っていると
いうこと。
手分け: 手分(てぃわ)き。
手渡すこと。 手渡(てぃいわた)し。
天: 天(てぃん)。
点: うっ点(つぃ)き。
店: 町屋(まちや)。
天意: 御天事(うてぃんぐとぅ)。
天運: 天数(てぃんすう)。
天下: 天下(てぃんが)。
天蓋(てんがい): 天蓋(てぃんげえ)。 ※天蓋を辞典で引くと多くの意味がある。も
ともとは、仏具のことらしいが、大空、天井、玉座をも意味するようだ。
癲癇(てんかん): くくつぃ。 ※てんかんは、神経疾患で、古くは、ソクラテス、ユリ
ウス・カエサルも発病したという記録があるらしい。
天気: 天気(てぃんち)。上月(うぁあつぃち)。
天気雨: 太陽雨(てぃいだあみ)。太陽降(てぃいだぶ)い。 ※沖縄県では、よくある
現象である。太陽が照っているからと、安心してふとんを干すことは出来ない。熊本
県本渡(ほんど)市では、天気雨というのが日常語らしい。沖縄と同じ天候なのか。
天狗(てんぐ): 天狗(てぃんぐ)。
点呼: 人数改(にんずあらた)み。
伝言: 伝言(でぃんぐん)。言遣(いや)い。言付(とぅづぃ)き。
伝言する: 言付(とぅづぃ)きゆん。
天子: 天子(てぃんし)。 ※沖縄では琉球国王をさす言葉であろう。
天竺(てんじく): 天竺(てぃんじく)。
天井: 天井(てぃんじょお)。
電信柱: 電信柱(でぃんしんばあや)。
天水: 天水(てぃんすぃい)。
天水甕(てんすいがめ): 天水甕(てぃんすぃいがあみ)。
天性: 生(う)まり肝(じむ)。
伝説: 伝(つぃて)え。伝(つぃて)え話(ばなし)。
伝染する: 移(うつぃ)ゆん。
伝染病: 風気(ふうち)。
転宅: 家移(やあうつぃ)い。
天地: 天地(てぃんち)。
てんてこまい: 手足通(てぃいふぃさどお)り。
天人: 天(てぃん)ぬ人(ちゅ)。 ※天人は、もともとは仏教用語。女の天人を天女と
言うらしい。竹取物語に、「天人のよそほひしたる女、山の中より出きて」とある。
天然痘(てんねんとう): 清(ちゅ)ら瘡(がさ)。 ※逆の表現をしたようである。
天罰: 天罰(てぃんばつぃ)。
天ぷら: ふくみん。天婦羅(てぃんぷら)。
天分: 天分(てぃんぶん)。
でんぷん: 葛(くずぃ)。 ※サツマイモのでんぷんは、芋葛(んむくずぃ)である。そ
れを油で揚げたのが、んむくずぃてぃんぷらあ、である。
伝馬(てんま): 伝馬(てぃんま)。 ※伝馬は、郵便物を運ぶ馬のこと。郵便という言
葉自体は明治以後であるが、ほかに的確な言葉が見当たらない。東京都中央区に伝馬
町(てんまちょう)がある。
顛末(てんまつ): 首尾(しゅび)。
天命: 天命(てぃんみい)。御定(うさだ)み。御天事(うてぃんぐとぅ)。
天文: 天文(てぃんむん)。
てんやわんや: あわてぃのおり。あうぇえしゅくぇえ。じゃまどぅいかあ。じゃまどぅ
いかあどぅい。
戸: 走(はし)る。舞戸(めえじゅ)。
斗: 斗(とぅ)。 ※十升で一斗。
度: 度(どぅ)。
樋(とい): 樋(てぃい)。 ※樋は、屋根の雨水を受けて地上に流す装置。
砥石(といし): 砥石(とぅし)。
どいつ: たにひゃあ。たぬひゃあ。
問い詰める: 問(とぅ)っ詰(ち)みゆん。
籐(とう): 籐(とぅう)。 ※籐は、ヤシ科のつる性植物。
唐: 唐(とお)。
問う: 問(とぅう)ゆん。
どう: ちゃあ。いちゃ。
どうあろうとも: あならわん。あねらわん。ぬうやてぃんくぃいやてぃん。
どうか: どおでぃん。とおどぅ。たんでぃ。
どうかどうか: たんでぃたんでぃい。
どうしたところで: あんしんかんしん。
どうして: ちゃあし。ぬがすぃ。
どうしても: ちゃあしん。いかなしん。ぬうさわん。
どうしようもない: 取(とぅ)いん摘(つぃ)みん無(な)らん。
どうともなれ: あひゃんがれえ。あっぱんがれえ。
どうにか: ちゃあにか。いちゃしがな。
どう(馬を制止する声): どお。
胴(どう): 胴(どぅう)。 ※胴は、体の一部であるが、琉球語では、全体をさす言葉
になった。自分のことを、胴(どぅう)という。
銅: 赤金(あくがに)。
胴上げ: 振(ぶ)い。振(ぶ)いどお。
同意する: 同(どぅう)ゆん。
同一: 同一(いぬてぃいち)。
同一人: 同人(いぬっちゅ)。
同一物: 一物(てぃいちむん)。
灯火: 明篝火(あかがい)。
銅貨: 赤銭(あかじな)あ。 ※復帰前まで、アメリカの一セント銅貨を、あかじなあ、
と呼んでいた。その他は、白銭(しるじな)あ、である。
同額: 同(いぬ)うっさ。
唐辛子: 高麗薬(こおれえぐす)。
冬瓜(とうがん): しぶい。 ※混効験集、坤巻:草木に、しふり、とある。
同感: 同感(いぬかん)。
陶器: 上焼(じょおや)ち。
唐黍(とうきび): 唐黍(とおぬちん)。 ※唐黍は、トウモロコシのことらしい。
闘牛: 牛合(うしあ)あし。 ※一般には、牛煽(うしおおら)せえ、だと思う。うる
ま市平良川に清酒を造る「泰石(たいこく)酒造」というのがあり、昔、そこがスポ
ンサーの闘牛番組があった。私は小学生の時、初代ゆかり号をテレビで見たことがあ
る。いまだいたい50歳前後の沖縄人で、ゆかり、という名前の人は、ほとんど、こ
の牛の名前にちなんで付けられたらしい。
闘牛場: 牛庭(うしなあ)。
統御: 治方(うさみがた)。
闘魚(とうぎょ): とおびらあ。 ※スズキ目オスフロネムス属の熱帯魚。別名ベタ。ベ
タは、タイの方言。自分の縄張りに入ってきた他の個体を攻撃する習性があり、オス
二匹で戦わせる遊戯に使われた。熱帯魚はどうしてきれいなのだろう。ちなみに、ゴ
キブリのことを、とおびいらあ、と言うが、この魚とはどういう関係なのだろう。
東京: 東京(とおちょお)。
道具: 道具(どおぐ)。
洞窟: がま。 ※沖縄の自然の洞窟の多くは鍾乳洞である。
唐九年母(とうくねんぼ): 唐九年母(とおくにぶう)。 ※唐九年母は、ザボン、ブン
タンのことらしい。
闘鶏: 闘鶏(たうちい)。闘鶏(たわちい)。 ※中国音だと思われる。douji(とうちい)。
投獄: 牢込(るうぐ)み。
唐胡麻(とうごま): ちゃんだかしい。 ※唐胡麻は、トウダイグサ科トウゴマ属の植物。
別名、ヒマ。
冬至: 冬至(とぅうじ)。
冬至のころの寒さ: 冬至(とぅうじ)い寒(びい)さ。
同時: 同時(いぬとぅち)。
当日: 当日(とおふぃ)。
同日: 同日(いぬふぃい)。
灯心: 心(しん)。灯心(とぅうじん)。 ※灯心は、行灯(あんどん)、ランプなどの、
心(しん)で、細長い紐状のもの。小学校のころに、うちにランプがあったのでよく
わかるが、今の人はほとんと知らないと思う。ロウソクの心のようなものである。
童心: 童肝(わらびじむ)。
灯心草(とうしんそう): 青灯心(おおとぅうじん)。藺(いい)。灯心藺(とぅうじんい
い)。 ※灯心草は藺草のこと。
動ずる: 動(どぅう)じゆん。
統制: 治方(うさみがた)。
唐船: 唐船(とおしん)。
当然: 自然(しじん)。自然(しじん)に。純(じゅん)。
どうぞ: どおでぃん。たんでぃ。とおとぅ。
どうぞどうぞ: たんでぃたんでぃい。
逃走する: 逃走(ぬぎふぁ)しゆん。
同族: 御神一(んちゃんてぃいち)。筋持(すぃじむ)てぃ。
道祖神(どうそじん): 塞(せえ)ぬ神(かん)。 ※道祖神は、外来の疫病や悪霊を防
ぐ神。
胴体: 胴体(どぅうてえ)。
道中: 道中(どおちゅう)。道中(みちなか)。
とうとう: 後(あとぅ)ぬうじゅみ。よおやく。
同等: 左右(さゆう)。
尊ぶ: 崇(あがみ)ゆん。尊(たっとぅ)ぶん。畏(うすり)ゆん。
豆乳: 豆腐(とおふ)ぬ湯(ゆう)。
当人: 本人(ふんにん)。人体(じんてぃい)。
同年: 同年(いぬとぅし)。
同年配: 切(つぃ)り目(み)。同(いぬ)ゆちゃ。同(いぬ)ちゃ。
頭髪: からじ。
同伴する: 連(つぃ)りゆん。添(そお)ゆん。
投票: 札入(ふだい)り。 ※私の祖母は投票のことを、ふだ、と言っていた。投票に
行くを、札入(ふだい)りいに行(い)ちゅん、と言っていた。
豆腐: 豆腐(とおふ)。
豆腐の油炒め: 豆腐(とおふ)ちゃんぷるう。
豆腐売り: 豆腐売(とおふう)やあ。 ※私が小学校のころまでは、チリンチリンと鈴
を鳴らしながら、売り歩いていた。いつも買っていたのは、ゆしどおふ、であった。
動物: 生(い)ち物(むん)。生(い)ち虫(むし)。
当分: 当分(とおぶん)。
唐変木(とうへんぼく): 唐生姜(とおしょおがあ)。 ※唐変木は、白黒の映画でしか
聞かなくなった言葉のようである。
東北: 丑寅(うしとぅら)。
東奔西走: あま走(は)いくま走(は)い。
灯明: 御灯明(うとぅんのお)。御灯明(うとぅうみょお)。
籐筵(とうむしろ): 籐筵(とぅうむしる)。 ※籐筵は、籐で編んだ筵。川端康成の「十
六歳の日記」に見える。
同名: 同名(いぬなあ)。
頭目: 勢頭(しいどぅ)。
唐物(とうもの): 唐物(とおむん)。 ※唐物は、made in china、のこと。
トウモロコシ: 呂宋唐(ぐすんとお)ぬちん。呂宋唐(ぐすんとお)じん。呂宋唐(る
すんとお)じん。 ※ルソンをぐすんと発音していたようである。
登用: 取(とぅ)い立(た)てぃ。
動揺: 肝(ちむ)あまじ。
動揺する: あまじちゅん。あまじゅん。ゆたみちゅん。
同様: 同様(どぅうよお)。
同様に: 同如(いぬぐとぅ)。
道楽者: くぁてぃい。
道理: 道理(どおり)。字面(じいじら)。
逗留(とうりゅう): 停留(てえるう)。
頭領: 頭(あたま)。
棟梁(とうりょう): 大工(でえく)。 ※でえくは、大工の棟梁のこと。ふつうの大工
は、細工(せえく)という。
同僚: 相中(ええじゅう)。具(ぐう)。
同量: 同多(いぬうっ)さ。同多(いんさ)。
同類: 同面(いぬずぃら)。
道路: 道(みち)。
道路工事: 道作(みちじゅく)い。
灯籠(とうろう): 灯籠(とぅうる)。御灯籠(うとぅうる)。 ※とぅうるは、もっぱら、
旧盆のちゅくいかざいの時にだけ使われるようである。私の祖母はたいへんモダンで、
とぅうるの代わりに、小型の電灯を使用していた。このほうが、明るくて先祖も喜ぶ
だろうとのこと。現在のとぅうるの中身は、やはり電灯である。伝統を守るのは、人
それぞれである。混効験集、乾巻・器材に、おとうろ、とある。
トウロウソウ: 葬式草(そおしちぐさ)。 ※セイロンベンケイの項を参照。
とお(十): 十(とぅう)。
遠浅: 遠浅(とぅうあさ)。
遠い: 遠(とぅう)さん。
十日: 十日(とぅか)。
遠く: かあま。
遠ざかる: 遠退(とぅうぬ)ちゅん。
通す: 貫(ぬ)ちゅん。通(とぅう)しゅん。
トートー(鶏を呼ぶ声): 寄(ゆ)うい寄(ゆ)うい。
遠のく: 遠退(とぅうぬ)ちゅん。
遠乗り: 道打(みちう)ち。 ※遠乗りは、馬に乗って遠くに行くことであるが、現在
は、車の遠乗りもあるらしい。車の遠乗りは、一体どのくらいの距離からだろう。私
の姉は、大阪から鳥取砂丘まで車で行ったらしいが、飛行機でニューヨークに行った
ほうが近いような気がする。
遠回り: 遠巡(とぅうみぐ)い。
遠眼鏡: 遠見鏡(とぅうみかがん)。
とおり: まま。通(とぅう)い。
通り過ぎる: 走(は)い交(くぁあ)しゅん。走(は)い越(くぃい)ゆん。
通り抜け: 通(とぅう)るう。
通り道: 通(とぅい)い道(みち)。
通る: 通(とぅう)ゆん。
科(とが): 科(とぅが)。
渡海: 渡海(とぅけえ)。
斗掻(とか)き: 斗掻(とおか)ち。 ※斗掻きは、桝(ます)で正確に測るために、
平らにならす道具。だいたい竹製であったらしい。沖縄では、八十八のお祝いを、と
おかち、と言う。これは、お祝いの引き出物に、斗掻きが配られたからである。今は
何を配っているのであろう。
トカゲ: あんだちゃあ。
溶かす: 溶(とぅ)かしゅん。
咎人(とがにん): 咎人(とぅがにん)。
咎(とが)め: 咎(とぅが)み。
咎(とが)める: 咎(とぅが)みゆん。
トカラ列島: 七島(しちとお)。 沖縄では昔から、しちとお、と呼んでいたようである。
尖(とが)る: 尖(とぅが)ゆん。
時: 時(とぅち)。
伽(とぎ): 伽(とぅじ)。 ※伽は、話相手をして、つれづれを慰めること。御伽話の
伽。
解き櫛(ぐし): 捌(さば)ち。 ※解き櫛は、髪を解くための櫛。それ以外の櫛もある
ようだ。
ときどき: ちゅっぷじっぷ。時々(とぅちどぅち)。打(う)ち回(まあ)い回(まあ)
い。
どきどき: だくだく。どぅさどぅさ。胸(んに)だくだく。胸(んに)どんどん。胸(ん
に)ぎとぅぎとぅ。たっとぅいふぃっとぅい。
説き伏せる: 言(い)い入(い)りゆん。
ときほぐす: 割(わ)っくぁしゅん。
どぎまぎ: もおどお。
度胸: 和(わあ)。面和(つぃらわあ)。
徒競走: 走合(はあえ)え勝負(しゅうぶ)。
どきん: ふぃっすい。
どきんとさせる: どぅさみかしゅん。
どきんとする: だくみちゅん。ふぃっすいみかしゅん。
鍍金(ときん)する: ふぁあしゅん。
得: 取得(しゅうとぅく)。得(とぅく)。
徳: 徳(とぅく)。
解く: 解(ふとぅ)ちゅん。
研ぐ: 囃(ふぇえ)しゅん。研(とぅ)じゅん。
毒: 毒(どぅく)。
退(ど)く: 退(どぅ)ちゅん。退(どぅ)きなゆん。
得意: 重畳(ちょおじょお)。上手(じょおじ)。良(ゆ)う買物為(こおいむんしゃ)
あ。 ※得意にはいろいろな意味がある。得意満面。得意な科目。お得意様、など。
毒消し: 毒消(どぅくげえ)し。
読書: 墨復(すぃみふく)。 ※昔の読書は何度も繰り返し音読した。
独身生活: 一人暮(ちゅいぐ)らし。胴一人暮(どぅうちゅいぐ)らし。
毒舌な: 口怖(くちぐふぁ)さん。
毒舌家: 口恐(くちぐふぁ)あ。
独占: 持(む)ち切(ち)り。
独断: 胴考(どぅうかんげ)え。
戸口: 走(はし)る口(ぐち)。
篤(とく)と: 篤(とぅく)っとぅ。
特に: 変(か)わてぃ。色分(いるわ)きてぃ。
徳之島: 徳之島(とぅくぬしま)。
毒物: 蘞(うぃいご)お物(むん)。蘞物(うぃいむん)。 ※うぃいごおさんは、日本
語の、蘞(えぐ)い、にあたるようである。
特別扱いする: 持(む)てぃ分(わ)かしゅん。
毒味: 御調味(うちゅうび)。 ※琉球語の方が現代的な表現かもしれない。小中学校の
校長先生は、お昼前に、給食の御調味(うちゅうび)をするそうである。これを、毒
味と言ってしまうと身も蓋(ふた)も無い。
毒薬: 毒薬(どぅくぐすい)。 ※琉球語は、重箱読みである。
独立: 一人立(ちゅいだ)ち。
刺(とげ): んじ。
時計: 時計(とぅちい)。
溶ける: 溶(とぅ)きゆん。
解ける: 外(はん)ぐぃゆん。
遂げる: 遂(とぅ)じゆん。
退(ど)ける: 退(どぅ)きゆん。退(どぅ)き成(な)しゅん。退(ぬ)きゆん。退
(しじら)かしゅん。 ※退(ど)ける。退(の)ける。退(しりぞ)ける、に対応
しているようである。
床: 床(とぅく)。
どこ: まあ。
どこまでも: まあまでぃん。
どこもかも: まあんくぃいん。しるくちまあくち。
どこか: まあがな。
床擦(とこず)れ: 眠(に)んじ剥(は)ぎ。
床屋: 断髪屋(らんぱつぃやあ)。
常世: にらいかない。にれえかねえ。
所: 所(とぅくる)。
心太(ところてん): 氷膨(くうりぶっとぅ)う。 ※室町時代時代前期の辞書、頓要集
(とんようしゅう)に、心太、とある。なぜこの字をあてるのかは分からない。琉球
語の、くうりは、たぶん、氷のことだと思う。ぶっとぅうは、丸く膨れ上がったもの
をさす言葉。沖縄では、いつごろから心太が食べられるようになったのか。スーパー
に置いてはあるが、買う人はだいたい、ナイチャーである。心太を押し出す道具を、「天
突き」と言う。関東では三杯酢、関西では、黒蜜をかけて食べるらしい。
ところどころ: 所々(とぅくるどぅくる)。
所払い: 所払(とぅくるばれ)え。 ※所払いは、刑罰の一種で、所在の町村から追い
出され、出入り禁止になること。現在、もしこの刑罰があれば、非常に重い刑罰のよ
うに思える。所在とは、親類縁者の住む場所である。
鶏冠(とさか): 被(かん)じ。
閉ざす: 満(み)ちゆん。
屠殺業者(とさつぎょうしゃ): 豚為(うぁあしゃ)あ。 ※屠が常用漢字ではないよう
で、とさつ、という言葉自体が難しいようである。
どさどさ: どぅさどぅさ。
年: 年(とぅし)。
年の功: 年(とぅし)ぬ功(くう)。
年のほど: 年(とぅし)べえ。
年をとる: 老(うぃい)ゆん。
年上: すぃいじゃ。年上(とぅしうぃい)。
年格好: 年格好(とぅしかっこお)。
閉じ込める: 満(み)ち込(く)みゆん。
年ごろ: 年頃(とぅしぐる)。
年下: 年下(とぅししちゃ)。うっとぅ。
年の夜: 年(とぅし)ぬ夜(ゆる)。 ※年の夜は、大晦日(おおみそか)のこと。一年
の最後の夜。年の夜(よる)という日本語はないようである。祖母は、縮めて、とぅ
しんゆう、と発音していた。
年日: 年日(とぅしびい)。 ※年日は、生まれた年の干支(えと)と同じ干支の日。こ
の説明では何のことかよくわからない。そもそも、干支の意味自体、わからない人が
多い。干支は、十干(じっかん)と十二支(じゅうにし)を組み合わせたもので、全
部で60通りになる。十二支が全部言えない人が多いので、十干はなお難しい。たと
えば、今年は、2017年、平成29年、丁酉(ひのととり)で、今年生まれた人の
干支は、ひのととり、である。同じ要領で、日にも干支がある。たとえば、今年の9
月7日、11月6日が、ひのととりの日である。計算上、一年に6回、年日が存在す
る。また、月にも干支がある。さて、沖縄の昔の誕生日は、現在のように生年月日の
誕生日に祝うのではなく、すべての人が一月に祝った。たとえば、うし年生まれの人
は、一月の最初のうしの日に祝ったのである。一月一日と十二支が重なった場合は、
13日に祝った。これを、沖縄では、年日(とぅしびい)と言う。本土の年日とは、
意味が違うようである。また、十二年ごとにやってくる自分の十二支の年には盛大に
お祝いをした。12歳、24歳、36歳、48歳、60歳、82歳、94歳である。
昔は数え年なので、最初のお祝いを十三御祝(じゅうさんゆえぇ)え、と言った。
戸締り: 閉(し)まり。
徒食: 虚喰(んなぐぇ)え。
年寄り: 年寄(とぅしゅ)い。
閉じる: 込(くう)ゆん。
綴じる: 綴(とぅでぃ)ゆん。
年忘れ: 年忘(とぅしわすぃ)り。 ※十二月に、一年中の苦労を忘れる意味で行う宴
会のこと。現在は、忘年会、が普通。字を見れば同じ意味である。
どしんと音をたてる: どぅさみかしゅん。
怒声: 根性喚(くんじょおあび)い。
渡船場: 渡地(わたんじ)。
土台石: 根石(にいいし)。 ※混効験集、坤巻:言語、および、おもろさうし・316
に、ねいしまいし、とある。
途絶える: 途絶(とぅでえ)ちゅん。途絶(とぅでえ)ゆん。
戸棚: 庫裡(くぃい)。戸棚(とぅだな)。 ※沖縄のトートーメーは、下が戸棚になっ
ている場合が多い。戸棚というよりも、引き出しである。
トタン: どぅうたん。 ※トタンはポルトガル語からの外来語らしい。
土地: 地(じい)。
途中: 道中(みちなか)。
とつおいつ: 置(う)ちい遣(や)っちい。 ※とつおいつは、取ったり置いたり、あ
あしたりこうしたり、の意味。
徳化: 徳化(とぅっくぁ)。
嫁ぐ: 立身(でぃっしん)。持(む)ちゅん。立(た)ちゅん。 ※むちゅんは、夫を持
つという意味だろう。
取っ組み合い: 取合(とぅえ)え掴合(つぃかめ)え。
取っ組み合う: むすばあゆん。
徳利: 徳利(とぅっくい)。
突然: あったに。
どっちつかず: うんぶいこおぶい。
とっちめる: とぅっつぃきゆん。とぅっちみゆん。
とっつかまえる: とぅっかつぃみゆん。
とっておき: かじみ物(むん)。
訥弁(とつべん): 口下手(くちびた)。
土手: あもおち。あむち。あむとぅ。
とてつもない: かきにん、おおらん。
とても: どぅうとぅ。ぞおい。ぞおじゃ。
褞袍(どてら): ゆうじ。 ※褞袍は、着物よりもやや大きめで、綿が入っている夜具。
褞袍の下が無いのが、半纏(はんてん)。半纏の袖の無いのが、ちゃんちゃんこ。
徒党: 徒党組(とぅとおぐみ)。
届く: 行合(いちゃあ)ゆん。行合(いちゃ)ゆん。届(とぅどぅ)ちゅん。
届け: 届(とぅどぅ)き。
届ける: 届(とぅどぅ)きゆん。
滞る: たたまゆん。滞(とぅどぅくう)ゆん。
整う: 整(とぅとぅな)ゆん。
とどのつまり: うじゅみ。
とどまる: 淀(ゆどぅ)ぬん。寄(ゆ)しぬん。留(とぅどぅま)ゆん。
轟(とどろ)かす: どぅさみかしゅん。
土鍋: 沙鍋(さあくう)。
隣: 並(なら)び。隣(とぅない)。
隣近所: 人(ちゅ)けえ隣(とぅない)。
隣付き合い: 隣触合(とぅないびれ)え。
隣の家: 近所(ちんじゅ)。
どなりちらす: 喚放(あびほお)ゆん。
どなりつける: あだあしゅん。たっちあだあしゅん。うだあしゅん。
隣村: 隣村(とぅないむら)。
怒鳴る: 喚(あ)びゆん。
どの: ちゃぬ。じぬ。じんぬ。
どのくらい: ちゃふぃい。
どのくらいの: ちゃっぺえる。
どの辺: まあ辺(ふぃん)。まありかあ。
どのような: ちゃぬ如(ぐと)おる。ちゃん如(ぐと)おる。
どのように: ちゃぬ如(ぐと)。
殿様: 御前(うめえ)。
どの人: ちゃぬ人(ちゅ)。
どの辺: まあふぃん。まありかあ。
どのような: ちゃぬぐとおる。ちゃんねえる。
どのように: ちゃぬぐとぅ。
賭博(とばく): 博打(ばくち)。
飛ばす: うっ飛(とぅ)ばすん。うっとぅぬがしゅん。
飛び上がる: 跳(は)にゆん。飛抜(とぅぬ)じゅん。飛(とぅ)んじゅん。
飛び魚(トビウオ): 飛(とぅ)ぶう。
飛び越える: 飛(とぅ)ん越(くぃい)ゆん。
飛び退(すさ)る: 飛(とぅん)ん退(すぃずぃ)ちゅん。
飛び出る: 飛出(とぅんじ)ゆん。
飛び飛びに: 飛(とぅ)べえ飛(とぅ)べえ。
飛び退(の)く: 飛(とぅ)ん成(な)ゆん。飛(とぅ)ん退(すぃずぃ)ちゅん。
トビハゼ: いいぶう。とんとんみい。
飛び離れる: 飛(とぅ)ん離(ばな)りゆん。
飛ぶ: 飛(とぅ)ぶん。うっ飛(とぅ)ぶん。
トベラ(植物名): とぅびら。 ※トベラ科トベラ目の植物。街路樹によく見られる。
徒歩: 徒(かち)。 ※山の手線の秋葉原と上野の間に御徒町(おかちまち)という駅が
ある。
途方にくれる: 手法(てぃほお)失(うしな)ゆん。
途方にくれること: ざあま。ざあまてぃいま。
灯(とぼし): 灯(とぅぶし)。
乏しくなる: 絶(てえ)ゆん。
点(とぼ)る: 点(とぅぶ)ゆん。 ※とぼるは、あかりがつくこと。ともるともいう。
苫(とま): 苫(とぅま)。 ※苫は、菅(すげ)や茅(かや)などを編んで、家の屋根
や周囲のおおいなどに用いたもの。百人一首、天智天皇の歌「秋の田のかりほの庵(い
お)のとまをあらみわが衣手は露にぬれつつ」。
土間: すぃくぶう。 ※すぃくぶうは、台所の土間。
戸惑う: ざまどぅゆん。
戸惑うこと: ざまどぅい。ざまどぅいかあ。
泊まり: 泊(とぅ)まい。 ※泊まりは、船が停泊するところ。港、津。
泊(地名): 泊(とぅまい)。 ※琉球歌劇に泊阿嘉(とぅまいあか)がある。
泊に在住する人: 泊(とぅま)やあ。
止まる: 寄(ゆ)しぬん。止(とぅ)まゆん。
止まらせる: 寄(ゆ)しみゆん。
泊まる: 宿(やどぅ)ゆん。泊(とぅ)まゆん。
富: うぇえき。
止める: 禁止(ちじ)ゆん。止(とぅ)みゆん。
泊める: 泊(とぅ)みゆん。
友: 同志(どぅし)。 ※同志は、当て字である。念の為。
供: 供(とぅむ)。
艫(とも): 艫(とぅむ)。 ※おもろさうし・869に、とも、まきやけ、とある。
とも(助詞): とぅん。
ともあれ: 何(ぬう)やてぃん斯(くぃい)やてぃん。
友達: 同志(どぅし)。
友達付き合い: 同志触合(どぅしびれ)え。
共に: まじゅん。
どもり: んじゃなあ。んじゃに。
点(とも)る: 点(とぅぶ)ゆん。
どもる: んじゃにしゅん。
土用: 土用(どぅうゆう)。 ※土用は、立春、立夏、立秋、立冬の前各十八日間の称。
虎: 虎(とぅら)。
寅(とら): 寅(とぅら)。
銅鑼(どら): 村鉦(むらがに)。 ※綱引きとか催し物の時に打ったようである。
捕らえる: 摑(かつぃみ)ゆん。
どら声: 銅鑼声(どぅらぐぃい)。
トラノオラン: 虎(とぅら)ぬ尾(じゅう)。 ※サンセベリアのことである。
鳥: 鳥(とぅい)。
酉(とり): 酉(とぅい)。
取り扱い: 持(む)てぃ成(な)し。取(とぅ)い扱(あつぃけ)え。頓着(とぅんじ
ゃく)。
取り扱う: 取(とぅ)い扱(あつぃか)ゆん。
取り集める: 取(とぅ)い集(ちゃめえ)ゆん。
取り合わせ: 取合(とぅやあ)し物(むん)。
取り合わせる: 取合(とぅやあ)しゅん。
鳥居(とりい): 鳥居(とぅり)。 ※鳥は、とぅい、である。
取り柄: 取(とぅ)い所(どぅくる)。
取り押さえる: 取付(とぅっつぃ)きゆん。
取り落とす: 取(とぅ)い放(はん)しゅん。取(とぅ)い落(う)とぅしゅん。
取り返す: 取(とぅ)い返(けえ)しゅん。取(とぅ)い戻(むどぅ)しゅん。
取り掛かる: 為掛(しか)かゆん。
鳥籠(とりかご): そおみなあ籠(くう)。 ※そおみなあは、めじろのこと。
取り囲む: 矩回(かにまあ)しゅん。
取り交わし: 取(とぅ)い交(け)え。
取り決め: 取(とぅ)い極(ちわ)み。
取り消す: 言(い)い消(けえ)しゅん。
取り越し苦労: 思(うま)んがさがさ。上辺世話(うぁあばしわ)。上辺思(うぁあばう
み)い。
取り込む: 取(とぅ)い込(く)ぬん。
取沙汰(とりざた): 取(とぅ)い沙汰(さた)。
取り締まり: 取(とぅ)い締(し)まり。
取り締まる: 取(とぅ)い締(し)まゆん。
取り調べ: 取(とぅ)い調(しら)び。
取り縋(すが)る: 取(とぅ)い縋(すぃが)ゆん。
取り捨てる: 取(とぅ)い捨(すぃてぃ)ゆん。
取り揃える: 取(とぅ)い揃(すらあ)しゅん。
取り違える: まみじゅん。取(とぅ)い違(ちが)ゆん。
取り散らす: しぜえらかしゅん。取(とぅ)い散(ち)らかしゅん。取(とぅ)い散(ち)
らしゅん。
取り次ぎ: 取(とぅ)い次(つぃ)じ。
取り次ぐ: 取(とぅ)い次(つぃ)じゅん。
取り繕う: 作(ちゅく)りいゆん。
取り付ける: 挿(すぃ)ぎゆん。 ※枕草子「こころもとなきもの」に、針に糸すぐる、
とある。
砦(とりで): ぐすぃく。 ※黒澤明の映画に「隠し砦の三悪人」がある。スターウォー
ズ・エピソードWはこの映画がモデルらしい。主役の上原美佐の演技指導は、黒澤明
自らがそのつど演じて見せたそうである。
とりなし: 取(とぅ)い成(な)し。
とりなす: 取(とぅ)い成(のお)しゅん。
取り計らう: 取(とぅ)い計(はか)らゆん。取(とぅ)い計(ふぁか)らゆん。
鳥肌: ふく毛(ぎい)。
鳥肌が立つ: ふくつぃるげえゆん。ふく毛立(ぎだ)ちゅん。鳥(とぅい)ふく毛立(ぎ
だ)ちゅん。
取り分: 取(とぅ)い前(めえ)。
取り巻き: 追(うう)てぃ喰(くぇ)え。
取り巻く: 巻回(まちゃあ)しゅん。
鳥目: 夜目暗(ゆるみっくぁ)あ。
鳥もち: やん黐(むち)。黐(むち)。
取り戻す: 取(とぅ)い返(けえ)しゅん。
取り止める: くんだしゅん。
度量がある: 肝広(ちむびる)さん。
努力する: うみ励(はま)ゆん。
取り寄せる: 取(とぅ)い寄(ゆ)しゆん。
とりわけ: 変(か)わてぃ。色分(いるわき)てぃ。
取る: 取(とぅ)ゆん。
ドル箱: 銭箱(じんばく)。 ※ドル箱は、明治時代の小説にも見える言葉で、お金を入
れる箱のこと。
どれ: じる。
奴隷: 名子(なあぐ)。 ※奴隷制度のない沖縄に奴隷は存在しない。なあぐは、農村で
働く農奴的な使用人のこと。
どれくらい: ちゃあしゅか。ちゃふぃ。ちゃみし。ちゃみしか。ちゃぬ尺(しゃく)。ち
ゃぬしゅか。ちゃっぴ。ちゃっさ。ちゃさきい。
泥: 泥(どぅる)。
泥足: 泥足(どぅるびしゃ)。
泥遊び: 泥持(どぅるむ)たあん。土持(んちゃむ)たあん。
徒労: 徒(あだ)。虚難儀(んななんじ)。
泥田: ゆび。ゆび田(た)。 ※泥田は、泥深い田。
とろとろ: ぬるんとぅるん。とぅるとぅる。
どろどろ: どぅるどぅる。ぐぇんぐぇん。
とろ火: とぅるとぅるう火(びい)。
泥棒: 盗人(ぬすどぅ)。
泥棒する: 盗(ぬす)ぬん。
泥棒猫: 餓鬼猫(がちまやあ)。
泥水: 泥水(どぅるみずぃ)。
泥道: 泥道(どぅるみち)。、
どん: どん。
どんという音をたてる: どんみかしゅん。
鈍な人: 鈍(どぅん)な者(むん)。
鈍感: 感遠(かんどぅう)。
緞子(どんす): 緞子(どぅんし)。 ※緞子は、地が厚く、光沢の多い絹織物。
とんちんかんな話: 耳(みん)くじり百語(むむがたい)。
とんでもない: 喰合(くううぇ)え。
とんでもないこと: 変(か)わった事(くとぅ)。思(うまあ)らん物(むん)。
曇天(どんてん): 曇(くむ)い天気(でぃんち)。
どんな: ちゃある。ちゃぬぐとおる。かんな。かんねえる。
どんなもの: ちゃぬぐとおる。
どんぶり: 丼(どぅんぶり)。まかい。
とんぼ: ああけえじゅう。 ※混効験集、坤巻:気形に、あきつ、乾巻:気形に、あけ
づ、とある。おもろさうし・479に、あけず、とある。
とんごがえり: 頭返(つぃんぶるげえ)い。
とんま: 大性(うふしょお)。大性者(うふしょおむん)。
貪欲(どんよく): 強欲(ごおゆく)。
貪欲な人: 強欲(ごおゆく)う。大欲(うふゆく)う。